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A to Z定理

SFマガジン7月号に掲載された円城塔作「A to Z Theory」に関して。これはすでに発売されている「self-eference ENGINE」の第三章のようです。
数学をあつかったSFというとグレッグ・イーガンの「ルミナス」や、テッド・チャンの「ゼロで割る」がすぐに思い浮かびます。石原藤夫の「宇宙船オロモルフ号の冒険」も、数学SFの極にあると言ってもいいでしょう。オロモルフィックであるには極があっては困りますが。


モリアーティ教授の論文について書かれているのも興味深く感じました。「小惑星の力学」については、作中の人物がその内容を推測しているミステリーがありました。しかし、二項定理に関する論文について書かれた物ははじめて読みました。ただ、内容についてよくわからないのが残念です。


作中の「A to Z定理」の内容については具体的には書かれていないので推測する他ありません。推測することに意味は無いかもしれません。「銀河ヒッチハイク・ガイド」に出てくる「究極の疑問」の内容について考えるようなものでしょう。しかし、推測するまでも無く読後に思い浮かんだ式があります。それは定理ではないし、数学的な意味というものもあまりなさそうなもので、数学クイズのような形で書かれていたのを見かけたものです。しかし、展開したときのシンプルな美しさはなかなかの物だと思います。一部を省略した形で下に書きますが、全体は用意に理解できると思います。


(a-x)(b-x)(c-x)・・・(z-x)



Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

Self‐Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)