Log of ROYGB

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量子論

最近早川書房から発売された「今日の早川さん」に関して。
各ジャンルの本好きのキャラクターがでてきますが、なぜかミステリーファンが出てきません。正確には、ちょっとだけ登場したこのマンガには珍しい男性キャラがミステリー好きなようです。沢山登場して早川さんのように迫害されるのがいいのかというとそれも微妙ですが、殆どもしくは全く出てこないジャンルの本が好きな人は寂しい思いをしそうです。ま、人と同じがいいのならベストセラーでも読んでればいいわけで、他人とは関係なく自分の好きな本を読めばそれでいいのかも。

SFを出版している早川書房東京創元社は、ともにミステリーも出版しています。ジャンルによってSFやNVのようにレーベルを分けている早川に比べて、創元はSF文庫が分離するまえは全て創元推理文庫でした。その中でマークによってジャンルを分けていたようです。SFの場合のマークは「SF」とそのまんまなので特に気にしていませんでした。帆掛さんは、怪奇と冒険ジャンルが帆掛け舟マークからきているようです。他にはハードボイルドが拳銃マークで国際スパイが猫で、法廷物、倒叙、その他が時計のマークだとか、はてはゲームブックスがユニコーンマークなんてのがあるもしくはあったようです。
創元文庫巻末の目録を見ていて、ヴェルヌの「海底二万里」や「動く人工島」が怪奇と冒険ジャンルになっていたりすると、これはSFではと思ってしまったり、逆にニーヴンの魔法の国シリーズはSFでなくてもいいかなどと考えたり。早川文庫SFでも、ターザンやコナンシリーズ、それから「ブロンズの男」などはSFに入っていますが今ならFTやNVあたりかと。「ウルフガイ」シリーズもSFかどうかよりも日本人なのでこれはJAになるはず。
そんな、似たようなジャンルの作品を出版している早川と創元ですが、違うところもあって早川はミステリーといえば海外物だし、創元は最近はそうではないものの前はSFが海外物だけだったような気がします。ところで、この両社は仲が悪いのでしょうか? 18ページに収録されている話からは、創元文庫の名前が消されています。同じ話で新潮文庫は残っているし、次のページにはサンリオ文庫まで出ているところをみると… などと勘ぐってしまいます。ちなみにインターネット上に公開されているものはhttp://horror.g.hatena.ne.jp/COCO/20061016#p1にあります。本と比べて見ると面白いです。さらにちなみに安い本というとファラデーの「ロウソクの科学」を思い出します。


早川書房と「今日の早川さん」については、こんなことを書いているところもあります。

常識的に考えて、まずはSFマガジンに引き上げて月4pなり8pなりの連載持たせて、最低200〜300本くらいストックを作ってから出版、ってのが道理だろう。おそらくid:COCOさんは兼業なんだろうが、現在の執筆ペースを考えると、決して不可能な話じゃないはずだ。早川がこんなアメーバみたいな焼き畑農業やる会社だとは思ってなかった。

http://d.hatena.ne.jp/gnt/20070911#1189515416


値段が高いと言われれば、確かに安くはないと思います。早川さん自身も本の高さを嘆いてましたね。ただ他の本と比べてどうかというと、カラーページの多い攻殻機動隊2巻は総ページ数は多いですが1575円もします。
早川の商売としては、昔から「ダーティーペア」の1冊目は文庫で出していたのに、続巻からはまず単行本で出すようにしたりなんてこともしてましたよ。
だけどまあ最近は、多少高くても本が出るだけ良いかなと思います。絶版のままよりは、新装版になって大幅に値上がりしとしても…


それから本のなかでは早川さんが迫害されてますが、現実の世界では帆掛さんのような趣味の人の方が苦労したりするのかもと少し思いました。



今日の早川さん

今日の早川さん