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作文教室

昨日とりあげたような、大人の心をうごかすような作文を書く小学生もいるのですが、そうではない小学生の方が多数でしょう。自分の子供の頃のことを考えてみて、自分やクラスメートなどのことを思い出せばわかるでしょう。子供の頃が思い出せなくても、今どうだかというのを考えればだいたい想像が付くのではないでしょうか。

清水義範の作文教室」という本では作家清水義範が、弟の学習塾でおこなっていた作文教室についてまとめています。実際に小学生の書いた作文も沢山収録されていて、読んでもたいして感動するわけでもない出来ですが、それが多くの小学生の書くようなものなのでしょう。

ある種の教育者が口にするような、「子供って純粋で、無限の可能性を持っていて、すばらしいものなんだ」とは私はまったく思わない。子供だって不純で、インチキで、すぐ調子にのり、よく嘘をつく困ったものなのだ。大人と同じである。だけど、そういう困ったものであるからこそ、面白いではないか。話しかける気もするというものだ。


(「清水義範の作文教室」17ページより引用。)

それに加えて、小学生の作文をつまらなくしてるもうひとつの要因がある。
それは、こどもたちがいい作文をかかなきゃいけないと思い込んでいる、ということである。
どこで、だれいうえつけられてしまったんだろう、そんな考え方を。作文には、いいことをかあなきゃいけなくて、悪いことを書くのは悪い作文だという考え方だ。

(中略)

「私は妹がにくらしくなり、殴ってやりたいと思いました」
という作文に対して、
「姉妹はなかよくしましょう。弱い子を殴るのはよくないことです」
という指導を書きそえる。なんじゃい、それは。それは国語の指導にはぜんぜんなっておらんではないか。


(「清水義範の作文教室」38〜40ページより引用。)

清水義範の作文教室 (ハヤカワ文庫JA)

清水義範の作文教室 (ハヤカワ文庫JA)