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ロボット工学の三原則

ロボット工学の三原則はアシモフの考えた物ですが、タイムマシンや銀河帝国といったSFのガジェットとして使われています。この三原則は、家電にもあてはまるというのを何かで読んだことがあります。第一条は安全である。第二条は使いやすい。そして第三条は壊れにくいとすれば、家電などにも求められる条件だという物です。


しかし、ロボットを日常として使うことを考えると、三原則以外にも必要なことは思い浮かびます。
まず、誰の命令でも受け入れると困る場合もでそうです。「ロボットの魂」という話で、この中では三原則は適用されてはいませんが人間の命令を聞くという条件はあり、そこで持ち主と歩いているロボットを盗もうとする場面が出てきます。ひとりが主人に対して声をかけて注意を引き、その間に別の物がロボットを連れて行くというものです。まるで、海外旅行などでスーツケースを盗むような方法です。ロボットが誰の命令でもきくとすれば、盗人が「声を出さず、だまって俺について来い。」と命令されたら従うしかありません。
そういった盗難防止の方法として、自動車のイモビライーザーや携帯電話のパスワードロックなどが参考になるかも知れません。「ファイイブスター物語」というマンガにでてくるファティマは有機体で出来たロボット的な存在ですが、基本的にはひとりのマスターの命令しかききません。


第一条が問題になることがありそうです。アシモフの「鋼鉄都市シリーズ」で、多数のロボットを使うスペーサーの世界では基本的に暴力犯罪が一掃されています。これはロボットがいるためです。三原則を備えたロボットが多数存在する社会では、必然的にそうなりそうです。ケンカが起こりそうになったら、近くにいるロボットが止めにはいるからです。じゃまするなと命令してもダメです。人間の命を守る第一条は命令に従う第二条に優先するからです。
ケンカまでいかなくても、赤信号で道をわたろうとしたりした場合でもロボットに止められるかもしれません。また、万が一犯罪が起こった場合に、警察官が犯人に危害を加えようとするのとロボットが妨害したりするかもしれません。それくらいならまだしも、ロボットがタバコは体に害があるからと禁止したり、飲酒を止めたりしたらどうでしょう。これも、タバコや酒が人間に害を及ぼすという知識がロボットにあれば、第一条から必然的にそうなるのではないでしょうか。
人間の生命を守るために、ロボットが人間を支配するようになるというのはSFの定番でもありますが、第一条が全てに優先されるとしたらそうなるのも不思議ではありません。


もし持ち主以外の命令以外を聞かないような防犯機能がロボットに備えられていたとしても、第一条による要請には従う必要があるので、それを使って裏をかくことも出来そう。「向こうで人間が危害を加えられているので、いっしょに来てくれ。」と言われたら、第一条によりついていくことになるはずです。


他に三原則以外に必要と思われるものとしては、DVDプレーヤーのペアレンタルロックのような機能制限が思いつきます。人間と同じ外見のアンドロイドについては特に必要でしょう。三原則があるので暴力的な使い方の問題はないでしょうが、性的な使用に関する制限は必要になるはずです。これは、防犯機能とも関連しますが、道を歩くアンドロイドが通りすがりの人の、「着ている服をすべて脱げ。」などという命令に従ったりしたら困るわけです。