Log of ROYGB

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超音波

http://www.hirax.net/diaryweb/2008/11/01.html#7452の「hirax.netinside out2008年11月01日」で紹介されていた「パラメトリック・スピーカー・実験キット」に関して。超音波を使うことで、通常よりも指向性を高くすることができる音声出力装置です。この動作の仕組みについて考えてみました。
すぐに思いつくのは、2つの周波数の超音波を使って、その差が可聴周波数つまり人間に聞こえる音になるようにするというもの。今回のキットはこれとは違うようです。

◆ 超音波搬送波は50個の超音波発振子で発信され、低周波音声でFM(周波数変調)して送出します。従来のスピーカーの概念とは全く異なります。超音波は非常に直進性が良いため正面で最大の音声となり少し離れると聞こえなくなります。光に近い性格を持ち、音がシビアに反射しますので壁に向けると壁から音が聞こえます。数十m先からも正面では音声を聞く事が出来ます。(騒音の中では聞こえません)

http://www.tristate.ne.jp/parame.htm


周波数変調というのは、FMラジオなどに使われている方式です。でも、ラジオの場合は電子回路を使って音声に復調するという作業を行っています。だからラジオなどの装置なしで音声が聞こえるというのが不思議です。
最初に書いた2つの周波数を使う方式の場合は、耳というか鼓膜で復調されると考えられます。近い周波数の音の差が聞こえるというのは、通常の音の場合でも起こり「うなり」として認識されます。
周波数変調で変調された音が聞こえるということは、どこかに周波数の違いを振幅の違いに変えているものがあるはずなんですが、これがどういう仕組みなのかはわかりません。想像ですが、超再生受信機のような周波数による感度の差によって復調が行われているのかもしれません。


(11月4日追記)
いろいろ考えてみて周波数変調というよりPWMだったら理解できるかなと思いました。PWMは、デジタルアンプなどで使われている方式で信号パルスの幅を変えることで音声出力をコントロールするものです。*1デジタルアンプは出力にあるローパスフィルターとスピーカーの特性によって音声に変換されるわけですが、デジタルアンプのフィルタを取り除いてスピーカーの変わりに超音波発振子を繋いだイメージが今回のパラメトリックスピーカーに近いのかなと思いました。この場合、超音波が聞こえないという耳の特性がローパスフィルターの働きをするわけです。(追記ここまで)


参考リンク
http://www.tristate.ne.jp/parame.htm 「TriState −世界初! パラメトリック・スピーカー・実験キット」
wikipedia:パラメトリック・スピーカー

*1:他にパルスの密度を変えるPDMがありますが、これだと周波数の変化が大きくなりすぎるのではと思います。