Log of ROYGB

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目に見えるもの

http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/081121/sty0811210813001-n1.htmの「疑似科学やオカルト… なぜ、だまされるのか? (1-3ページ) - MSN産経ニュース」に関して。

霊視や前世占い、占星術といった「スピリチュアル(精神的な、霊的な)世界」がブームだ。それらを扱うテレビ番組は軒並み高視聴率を獲得し、ベストセラーになる出版物も多い。だが、中には疑似科学やオカルト現象を妄信し、だまされて被害にあう人もいる。科学の視点で批判してきた立命館大学国際平和ミュージアム名誉館長の安斎育郎さんは「『思い込み』と『欲得ずく』が錯誤への落とし穴」と注意を呼びかける。(伐栗恵子)

http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/081121/sty0811210813001-n1.htm


こういった啓蒙活動は、好ましいことであると思います。しかし、わかりやすい説明の為に少し問題かと思われる部分もあります。

もし霊が目に見えるのならば、霊そのものが光を発しているか反射しているはず。「たたる」には記憶や認識といった高度な仕組みを持った有機体でなければならない。霊を信じるかどうかは個人の自由だが、「科学的な意味では存在し得ない」と断言する。

http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/081121/sty0811210813001-n2.htm


光によって目に見えるのは確かですが、目に見えれば光があるというのは必ずしも正しくはありません。真っ暗な場所でも、何かが見えるように感じられる場合があります。まぶたの上から目を押さえたりすると、よりはっきりと現象が観察できます。これは、目に見えるののが光を発しているか反射しているはずということに対する、明らかな反例です。


記憶や認識という高度な仕組みを持った有機体でなければならないというのも、少しどうかと思います。これに対する反例としては、音を記録するレコードなどはどうでしょうか。日光写真なども、画像を記録することができます。


これは、重箱の隅をつつくようなことではあるのですが、こういった反例を使ってだまされる人がでたりする可能性もあります。たとえば、こんな感じで。



それでは、まず皆さんに簡単な質問をします。何かが目に見えるということはどういったことでしょう。
そうですね、光っている物や光を反射する物からの光が目に入ってくる。他にはどうでしょう。
ありませんか、それでは実験してみましょう。
(部屋の明かりを消す)
電気を消しました。今は何も見えないはずです。
もう少し確実にするために、目をつぶって下さい。そして手で、目を軽く押さえて下さい。
これで、目には全く光が入ってこないはずです。
さて、何がみえますか?


こういったことを行えば、光が無い状態で何かが見えるということを実際に体験させることができます。そして、こうすれば目に見えるのは光があるからだと確信しているひとでもだませるのではないでしょうか。
他にも、手作りの蓄音機を使って簡単に音が記録できることなどを実際に行ってみせることで、比較的簡単に何かを記録できることが実証されます。エジソンの蓄音機を始めてみた人は、こんな仕組みで音が出てくるとは信じられなくて、どこかに人が隠れていると疑ったものです。しかし、実際には科学的に説明できる簡単な方法で記録できるのです。とか説明されれば、人の心が何かに記録されるといった話も信じてしまうかもしれません。


他にも、英語教材を売っている人が、もし英語ペラペラだったとしても、その教材に効果があるという証明にはなりません。これは手品の実演販売を見て、仕掛けを買ったとしても誰でも販売員のようにうまくできるとは限らないのと同じです。
簡単にお金儲けができるといってマルチ商法などに誘われた場合に、さそった人がお金持ちだったとしても、信頼していいかどうかはわかりません。
あまり単純明快な説明にすると、わかりやすくはあるものの例外的な場合に対応できなくなるような気がします。記事にもかかれていますが、自分の頭でしっかり判断するということが大切でしょう。