離散数学
離散数学「数え上げ理論」―「おみやげの配り方」から「Nクイーン問題」まで (ブルーバックス)
- 作者: 野崎昭弘
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/11/21
- メディア: 新書
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「詭弁論理学」の作者による数学の本です。最初はわりと簡単ですが、そう思っていると急にむずかしくなったように感じました。具体的な問題と、それを発展させて考えて説明しているので何度も読めばわからない部分も何とかなりそうな気もしました。
第5章の「増えてゆく物を数える」には階段の登りかたの問題もありました。有名な問題のようですが、少し前に「2008年11月28日の結城浩の日記」(http://www.hyuki.com/d/200811.html#i20081128224013)でも取り上げられてたのを思い出しました。そして第6章の「プレゼント交換と包除原理」にはプレゼント交換の問題が出てきます。これは「63.2%の憂鬱」(http://d.hatena.ne.jp/ROYGB/20081016#p1)で取り上げた問題です。偶然の一致でしょうが、面白く感じました。問題の解法も興味深かったです。
他には9章の「Nクイーンと群論」で、Nクイーンというパズル問題から群論について進んでいくのが印象に残りました。
あえて文句をつけるとすれば第7章の「賭博と差分方程式」について。確率に関する説明などは良いのですが、賭博の必勝法は無いというのにブラックジャックを持ち出しているのはどうかと思いました。それは、ブラックジャックには必勝法があるからです。これは、ブラックジャックのゲームが完全に独立でないことを利用しています。カウンティングと呼ばれるこの方法は難しくはあるのですが、その有効性は数学的にも明らかです。
だから細かいことを言うと、7章の最初にブラックジャックが出てくるのはあまり適切ではないのかなと思います。
参考リンク
wikipedia:ブラックジャック