Log of ROYGB

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フィボナッチ数とべき乗(3)

フィボナッチ数とべき乗(2)」からの続き。

nナッチ

階段の登り方を変えればトリボナッチ数になるというのはすぐに思いついた。1段づつ登るのと、ひとつ飛ばして2段登るのに加えて、2つ飛ばして3段登る方法も認めるとファイボナッチではなくトリボナッチ数になる。
階段が1段と2段の場合はフィボナッチ数と同じ1通りと2通りだけど、3段からは変わる。
フィボナッチ数の場合の3通りに加えて、3段を一度に登る1通りを加えて4通りになる。


そして4段からは、
1段登って残り3段の場合が4通り、
2段登って残り2段の場合が2通り、
3段登って残り1段の場合が1通り、
を合計すればいいので4+2+1で7通り。段数が増えても同じやり方が適用できる。


トリボナッチの次のテトラナッチでも階段の登り方の問題にすることができる。こんどは4段登る場合を加えればいい。ペンタナッチ以降も登り方を増やせばいいけど、実際に登ることを考えれば現実的ではないか。サイコロを振って出た目の段数だけ登るのならばヘキサナッチが実現可能だから、他の場合もそれに応じた範囲でランダムに数を選んでその段数を登るようにすればなんとか現実的な問題になるか。


階段の登り方の場合だと、数列の項を定義した場合のように最初に0が出てこないし、1も2つではなくひとつだけだ。そこで、各数列の0の項と最初の1の項を除いて表を作り直してみた。

フィボナッチトリボナッチテトラナッチペンタナッチヘキサナッチヘプタナッチオクタナッチナボナッチデカボナッチ
111111111
222222222
344444444
578888888
81315161616161616
132429313232323232
214456616364646464
3481108120125127128128128
55149208236248253255256256
89274401464492504509511512
1445047739129761004101610211023
2339271490179319362000202820402045
37717052872352538403984404840764088
61031365536693076177936808081448172
987576810671136241510915808161281627216336
15971060920569267842997031489321923251232656
25841951339648526565944862725642566496065280
41813589076424103519117920124946128257129792130496


こうするとあたりまえながらフィボナッチよりトリボナッチと足す数が増えるにしたがって数も大きくなる。
グラフにもしてみたが、前のと同じスケールだとはみ出してしまう部分もでてしまった。


全体を表示するように修正。ヘキサナッチ以降はほとんど重なっているようにも見える。


グラフの見た目から推測すると、デカボナッチよりも足す項を増やしていっても変化は限定的でどこかに収束するように思えた。
足し合わせる項数をどんどん増やしていったらどうなるかというのを少し考えてみた。
まず一般化としてn項を足すnナッチというのを考える。数列の定義としては最初の(n−1)項までは0でn項が1になり、あとはn項を足して次の項を作る。(2n−1)まではそのまま足していくだけでいい。
nが充分に大きいとして、値が0の項と最初の1を除いて(n+1)項目からを表にしてみた。


 nナッチ
1
2
4
8
16
32
64
128
256
512
1024
2048
4096
8192
16384
32768
65536
131072


デカボナッチなどの項の値からもある程度予想はしていたが、1、2、4、8、…と順に2倍になっていく。これならばn項の和とか考える必要もなく、比の係数が2の等比数列だ。
つまり、フィボナッチ、トリボナッチ、テトラナッチと足す項数を増やしていったnナッチの極限を考えると、係数2の等比数列になるわけだ。別の考え方をすればフィボナッチに始まる数列は、必ず2のべき乗よりも小さくなるということか。


(おわり)