Log of ROYGB

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負の質量と電磁気的な力

http://homepage3.nifty.com/iromono/diary/200906A.html#12の「★今年も出してみた」に関して。去年のエントリーを読んで「負の質量」を書きましたが、今年も書いてみます。


まずは、ブックマークコメントにも書いた続きの問題。

  • マイナス質量の惑星上での、通常の質量の物体の運動はどうなるか。
  • マイナス質量の物体と通常の質量の物体の質量の絶対値が同じ場合にはどうなるか。


答えは書きませんが、マイナス質量の惑星上だと地球上でのマイナス質量の物体の運動とは同じにはなりません。どうしてそうなるかというと、質量の大きさの違いによるものです。では両者が同じ大きさの場合にはどうなるかというのが次の問題で、これらを考えるとマイナス質量の物体に関する理解が深まるのではないかと思います。


もう一つは、前回書いたマイナスの質量を使った宇宙船の駆動方法に関して、効率を上げる方法のアイデアです。マイナスの質量を使ってエネルギーや噴射が不要な推進方法が実現できたとして、その力は微々たる物です。重力の力というのは、非常に弱いからです。地球ほどの質量があれば1Gの力が発生しますが、宇宙船レベルの質量ではほとんど無視できる力しか発生させることはできないでしょう。
これを何とかするには、質量を大きくするために高密度物質を使う方法が考えられます。ブラックホールや、そこまでいかなくても白色矮星中性子星などを構成するくらいの密度の高いマイナス質量の物質があれば、そこに働く力を推進力として使えるかもしれません。*1


別の方法も思いつきました。重力以外の力の使用です。

図のような形で、マイナス質量の物質の磁石があれば、通常の磁石との間に働く磁力を推進力に変えることが可能です。図ではN極同士が向かい合っているので反発力が働いています。*2左側の磁石は通常の物質なので、反発力が同じ方向の左向きの運動を生み出します。そして右側の磁石はマイナスの質量を持つので、反発力とは逆向きの左向きの運動を生み出すわけです。つまり磁石の反発力が、左向きの運動を生み出すわけです。
磁石のどちらかを反転させてS極とN極で吸引力が働くようにすれば、右向きの運動を生み出すことも簡単です。そして磁石の間隔を近づければ力が強くなるので推進力も強くなるといった具合に、パワーの調整も可能です。

*1:石原藤夫小説ではたしかブラックホールを使用していました。

*2:マイナス質量の物質が、電磁気的には通常と変わらないのかという疑問もあるかもしれませんが、逆であったとしてもN極とS極を入れ替えれば同じことです。