Log of ROYGB

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負の質量と電磁気的な力2

マイナスの質量を持つ物質に関する話の続き。


通常の物質の原子核は、プラスの電荷を持つ陽子同士をくっつけるのに中間子によって働く核力という力が必要になる。しかし、マイナスの質量の物質の場合、陽子同士に働く反発力が引き付けるように作用する。*1つまり核力がなくても安定な原子核を作ることが出来るかもしれない。それとも核力が反発するように働くので、原子核を作ることは出来ないのかも。それに原子核ができたとしても、どうやって電子を周回させればいいのだろう。極性の違う電荷に働く引き付ける力が、電子を原子核から引き離すように作用するというのに。


マイナスの質量を持つ物質で構成された惑星を、昨日の問題では存在するものとして想定したけれども、これも無理かも。マイナスの質量を持つ物質同士にも通常の物質同士と同じように万有引力が発生する。*2しかし、マイナスの質量の物質同士に働く引力は、両者を放す方向に作用する。これでは、通常の惑星のように引力によってまとまることは不可能。


マイナスの質量を持つ物質を手で押した場合にどうなるかという問題も興味深い。レンズマンシリーズに書かれたように、牽引ビームによって弾き飛ばされるということならば理解できるが、手で押すとこっち向きに動くということは理解しがたい。*3
マイナスの質量を持つビリヤード球に、普通のビリヤード球をぶつけたらどうなるかという問題でもいいか。


(追記)
ビリヤード球の問題を考えていたら、頭が混乱した。マイナスの質量のビリヤード球が、普通のビリヤード球にぶつかる方が簡単かも。
マイナス質量のビリヤード球をA、通常のビリヤード球をBとして。

  1. AがBに当たって、Bが動きだす。
  2. AはBの反作用をうける。
  3. マイナス質量なので、反作用によって停止する代わりに速度が増加する。
  4. 再度Bに力が加わり、Bが加速される。
  5. Bの反作用でAも加速されるというのがどこまでも続く。

これは、重力や電磁力による現象と同じことが力学的に起こっていると考えればいいはず。
普通のビリヤード球が、マイナス質量のビリヤード球にぶつかった場合は、普通のビリヤード球がぶつかったあとに停止してからマイナス質量のビリヤード球に押されて逆方向に動き出す。あとはマイナス質量のビリヤード球がぶつかってきた場合と同じ、でいいのかな。

*1:運動方程式の公式に、マイナスの質量を代入して計算するとそうなる。

*2:万有引力の公式にマイナスの質量を代入するとそうなる。マイナス×マイナスはプラス。

*3:レンズマンシリーズでは、反物質が負の質量を持つという設定だったので手で押すことは出来ない。