Log of ROYGB

はてなダイアリーが廃止されるので、引っ越しました。

地球の位置エネルギー

http://d.hatena.ne.jp/rikunora/20090713/p1の「エネルギーとは何か - 悪魔の妄想」に書かれていた位置エネルギーについて考えてみました。


まずmgの大きさを変えた場合を検討。
mgの値が非常に小さくて、たとえばゼロならば位置エネルギーもゼロだろうし、mgが大きければ位置エネルギーも大きくなる。だから位置エネルギーはmgに比例する量になるんだろうとか説明することは可能。でも、これだけだと不十分なんだろうというのはブックマークのコメントにも書きました。


位置エネルギーでない場合ではどうだろうというのも考えました。mgが重力による力ではなく、同じ大きさの別の力として考えても位置エネルギーと同じだけのエネルギーになるはずです。質量mの物体を、mgという力で距離h移動させた場合に得られる運動エネルギーを計算すると、位置エネルギーの場合と同じmghになります。


質量mの物体にmgの力を時間s加えた時の速度vは
v=(mgs)/m=gs
となって、その場合の移動距離hは0からgsの積分で求まるので
h=(1/2)gs^2
速度vのときの運動エネルギーEは
E=(1/2)mg^2s^2
ですが、hを使った式に変形すると
E=mgh
となります。


だから位置エネルギーというのも、それほど特別ではないのかも。
具体的に何か例を考えると、一定の速度で風が吹いていて物体に一定の力がかかるような状態で、風上へ物体を移動させると位置エネルギーに相当するエネルギーが発生するような。風上から風下に風を受けて移動するのが、重力に引かれて落下することに相当します。他には電界中の電荷をもった物体とかでもいいかも。


ところで、地球の位置エネルギーを考えることはできないんでしょうか。
地球を基準にして質量mの物体の位置エネルギーを計算するのと同様に、質量mの物体を基準にして地球の位置エネルギーを計算することも可能です。万有引力の法則から、地球が質量mの物体を引く力と、質量mの物体が地球を引く力は同じです。そして高さhは当然ながら同じ。そうすると地球の位置エネルギーもmghということになりそうですが、これでいいんでしょうか。


考え直したら、地球の質量はmではないから運動エネルギーを計算する場合の速度を表す式のmが消えないので、もっと面倒くさい式になりそう。感覚的には同じ力を加えた場合、質量の小さい方が運動エネルギーは大きくなるかな。運動エネルギーの計算式でvは2乗なので、質量よりも速度の方がきいてくるはずだから。*1
質量mの物体の位置エネルギーと、地球の位置エネルギーが違うとしたら、基準をどちらにおくかによってエネルギーの量が変わるというエネルギー保存の法則に反することになるような、ならないような。


以前に書いた「運動量、運動エネルギー」というエントリーでも似たようなこと書いたのを思い出しました。移動する物体を基準にすると全宇宙が移動していることになるので、運動エネルギーがものすごいことになるのだろうかといった話です。


(追記)
位置エネルギーに関して、まじめに説明しているページを見つけたので紹介しておきます。
http://www008.upp.so-net.ne.jp/takemoto/energy1.htm 位置エネルギーはどこに蓄えられるか

*1:これは違っているかも。同じ時間だけ力を加えた場合はこの通りだとしても、おなじ距離の場合は時間が異なる。