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箱と2つの玉

箱の中に2つの玉があるとします。玉は自由に箱の中を行ったり来たりできます。箱の左半分と右半分に玉があるかどうかは、次の3つの状態に別れます。


a.玉は2つとも箱の左半分にある。
b.玉は2つとも箱の右半分にある。
c.玉の1つは左半分に、もうひとつは右半分にある。


この3つの状態の存在する確率は同じではありません。全体を1とすると、a.とb.はそれぞれ4分の1の確率で、c.は2分の1の確率になります。
これは、c.が玉1が左で玉2が右の場合と、玉2が左で玉1が右の場合という2つの状態を加えたものだからです。たとえ2つの玉が見た目に区別がつかないとしても、別のものとして考えなければいけません。


ところが、2つの玉が量子的な存在の場合はこの考え方が当てはまりません。たとえば2つの電子が箱に入っている場合をかんがえると、上の3つの状態の確率はすべて3分の1になります。
どうしてそうなるのかということについては、2つの電子が本質的に同じだからという説明があります。本質的に同じというのがどういうことなのかというのは、自然にも2つの電子を区別することができないということらしいです。それがどういうことなのかは、いまひとつわからないのですが。