Log of ROYGB

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地球と似た星

もし将来、別の星に人類が移民するとしたら地球と似た条件の星になるということは確かでしょう。でも、全ての条件を満たすことが難しいとしたら、何を優先するべきでしょうか。
大きさが重要なような気もしますが、大きさが少しぐらい違ったとしても表面重力が同じならば何とかなりそうです。他にも大気があるのかや成分なども大切ですが、そのくらいならば進んだ技術によって改変可能になる可能性はあります。しかし、地表の重力を変えるというのはかなり難しいのではないかと思います。


例えば、地球の2倍の大きさの星があったとして、他の条件が同じならば重力も2倍になります。2倍の大きさと言うことは体積は8倍で、密度などの条件が同じならば質量も8倍です。これだけなら8倍の重力ですが、中心から地表までの距離が地球の2倍になることで4分の1になるので、2倍になるわけです。
だから、質量が2分の1であれば地球と同じ重力になります。地球よりも密度が軽い物質で構成されていれば、可能性としてはありえなくもないかも。


大きな星の場合は、当然ならば表面積も広くなるのでその点でも有利です。逆に小さな星だと表面積は少ないですが、テラフォーミングのような惑星の状態を人工的に変える時にはやりやすいかもしれません。


地表の重力が同じでも、質量や大きさの違う星の場合には脱出速度なども変化します。

大きさ2倍1/2倍10倍
密度1/2倍2倍1/10倍
一宇宙速度√2倍
 ≒11.2km/s
1/√2倍
 ≒5.6km/s
√10倍
 ≒25km/s
第二宇宙速度
 (脱出速度)
√2倍
 ≒15.8km/s
1/√2倍
 ≒7.91km/s
√10倍
 ≒35.5km/s

地球の2倍の大きさの星の場合は、宇宙速度が√2倍になります。第一と第二の比も√2なので、地球の2倍の星では第一宇宙速度が11.2km/sと、地球の脱出速度と同じになります。
地球の2分の1の大きさの星の場合は√2分の1倍になるので、地球の第一宇宙速度が脱出速度になります。
もっと極端に10倍の多きさで考えても、√10倍なので3倍と少しでそれほど極端には変わりません。


ダイソン球と呼ばれる、太陽など恒星の周囲に球状の殻を作ってそこに住むようにするというアイデアがあります。殻の内側に住む場合は人工重力のようなものが必要になりますが、殻の外側に住む場合は太陽の重力が利用できます。
地表の重力が地球と同じになるように設計した外側に住むタイプのダイソン球の場合に、脱出速度などはどうなるでしょうか。
太陽の質量は地球の333,400倍なので、これをもとに計算すると、地球の577倍の大きさの球にすればいいことになります。脱出速度などの各宇宙速度は√577なので約24倍になります。
つまり、第一宇宙速度が190km/sで、第二宇宙速度が269km/s位にもなるわけです。
ダイソン球を作れるほどの技術があれば、その程度の速度は問題にならないかもしれませんが、今の人類がいきなりそんなダイソン球につれてこられたとしたらロケットを衛星軌道に打ち上げることができるでしょうか。


理論的にはもっと大きな星というか球体を考えることもできます。
大きさが地球の7億4千万倍、質量が55京倍の球体の表面の重力は、地球と同じ1G。しかし、脱出速度は秒速30万キロで光がやっと出ていける程。もう少し大きくて重くなったら、光でも脱出できなくなってしまいます。