Log of ROYGB

はてなダイアリーが廃止されるので、引っ越しました。

インフレの実現可能性

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51412308.htmlの「404 Blog Not Foundベーシックインカム 一番かんたんな方法」で紹介されていた、http://twitter.com/YAMAMOTO_Nozato/status/10004376729の「Twitter - 山本野里(やまもと・のざと) BIですけど、税金を廃止して、財源は政府通貨を発行す ...」について。

BIですけど、税金を廃止して、財源は政府通貨を発行することで確保するならば、インフレを補填するという名目でBIを実現する大義を得られますよ。

http://twitter.com/YAMAMOTO_Nozato/status/10004376729


財源を確保して税金の廃止という考え方は前に読んだ記憶がありました。http://deztec.jp/design/06/04/07_economics.htmlの「無税国家は本当にありえないのかな」です。これも財源は貨幣発行益としています。

無税国家、ありえるのではないか。

物価の上昇がなく、年率5%の経済規模拡大があるとする。このとき単純には、通貨の供給量も5%増やすことになるのだろう。このとき仮に国家予算が経済規模の5%なら、無税国家は実現できるんじゃないの? これが第一の疑問。山崎元さんのブログのコメント欄で飯田泰之さんが「貨幣発行益を国債の償還に使って増税を回避すべし」と主張されていますが、それが可能なら無税国家も不可能でないはず。全額を発券銀行引受の国債で賄うわけ。

http://deztec.jp/design/06/04/07_economics.html


これに対する批判が、http://bewaad.sakura.ne.jp/20060408.htmlの「archives of bewaad institute@kasumigaseki(2006-04-08)」にあります。不可能ではないにしろ、規模は日銀納付金程度にしかならないよというような感じでしょうか。

結論から言えば程度によっては可能です。例えば日銀納付金(業務概況書によればFY98:14,360億円、FY99:10,858億円、FY00:12,581億円、FY01:13,904億円、FY02:5,053億円、FY03:472億円、FY04:1,690億円)の範囲内ですべての歳出を賄えるなら、すなわちそれは無税国家です。つまりは程度問題ということになります。

ではどの程度までなら可能なのでしょうか。徳保さんは毎年のマネーサプライ増分を念頭に置かれていますが、単純形として全ての歳出を紙幣印刷で賄う無税国家を想定すれば、毎年の増分はマネーサプライではなくマネタリーベースのそれでなければなりません(つまり、信用乗数の逆数分だけ規模が小さくなります)。

http://bewaad.sakura.ne.jp/20060408.html


通貨の発行量を増やすことでインフレを起こすことができるというのを、無税国家がありえないことから証明するのがバーナンキ背理法です。

日本の経済論壇(のごく一部)で有名な「バーナンキ背理法」とは、「もし通貨の発行量をいくら増やしてもインフレが生じないとすると、無税国家が実現される。これはおかしいので、通貨発行権を持つ銀行はインフレを起こすことができる」といったもの。

http://deztec.jp/design/06/04/07_economics.html


それなら日銀はどうしてインフレを起こすことが出来ないのでしょう。起こす能力があるとするならば、そうする意思がないということでしょうか。