Log of ROYGB

はてなダイアリーが廃止されるので、引っ越しました。

献血に関するゼロリスク信仰

日本赤十字が行っている献血に関して、ゼロリスク信仰のように感じられる部分があります。

献血をご遠慮いただく場合
輸血歴・臓器移植歴のある方
輸血や臓器移植を受けたことのある方は、現在の検査法では検出できない未知のウイルス感染の可能性が考えられるので、献血をご遠慮いただいています。ただし、輸血歴・臓器移植歴のある方が、現在何らかのウイルスに感染しているとか、あるいは病気であるからという訳ではありません。あくまでも輸血の安全性を可能な限り高めることを考えてのことです。是非ともご理解下さい。

http://www.jrc.or.jp/donation/refrain/detail/detail04.html


たった一度輸血を受けたことがあるだけで、現在の検査法では検出できない未知のウイルス感染の可能性によって献血することが出来なくなってしまいます。
過去に、当時は未知であったHIVや肝炎のウィルスが含まれている血液を原因として感染が広がったということはあるので、未知のウイルスの可能性は全くゼロではありませんが、現在の検出技術の進歩からすれば事実上ゼロといってもいいのではないでしょうか。
もし、輸血によって未知のウイルスに感染する可能性がわずかながれでもあるのならば、輸血を受ける人に対して危険性を説明する必要もあるはずです。

Q01 献血で病気がうつされることはありませんか?

A 献血に使用する採血針、採血キット、採血バックは、すべて滅菌済みの新品で一度しか使用しませんので、これにより細菌などに感染することは全くありません。また、成分献血時の検査用血液の採取に用いる真空採血管も新品で一度しか使用しませんが、現在一部の試験管しか滅菌済のものを入手することはできません。しかし、試験管に採取した血液がご本人に逆流し、細菌などに感染することのないように、検査用血液の採血手順を統一しておりご心配はありません。

http://www.kyoto.bc.jrc.or.jp/faq/index.html#a01


このQ01の献血で病気がうつる可能性が無いというのは、Q07の未知のウイルスの可能性という回答と矛盾します。

Q07 過去に輸血を受けた人は献血できないのですか?

A 輸血を受けたことのある方は、献血をご遠慮いただいています。これは、現在の検査方法では検出できないウイルスや未知のウイルス感染の可能性を防ぐ意味からのものです。あくまでも、現在の検査レベルで輸血を受ける患者さんの安全性を最優先させていただくためであり、輸血歴のある方が、現在何らかのウイルスに感染しているとか、病気であるとかいうことではありません。


わずかながらであっても未知のウイルスに感染する可能性があるのならばそれを説明すべきだし、逆に献血で病気がうつる可能性が全く無いのであれば、輸血を受けた人の献血を忌諱する必要はありません。

(追記)
コメントを読んで、勘違いに気がつきました。Q1の献血での危険性が無いというのは、献血をした人のことなのか。献血による輸血を受けた場合の危険性とごっちゃになって理解してました。
献血をしても大丈夫だけど、輸血を受けると可能性は低いけど感染の恐れがあるということでしょう。
その場合でも、輸血を受けた場合の感染の可能性、しかも肝炎などのように検査で見つかるもの以外についての危険性を理由として献血を拒否するという残っているわけですが。
(追記ここまで)

献血が出来ないことによる不利益というのは特に無いか、強いて言えば献血後のジュースが飲めないとか、献血をすることによる満足感のようなものを得ることができない位でしょうか。しかしながら、日本赤十字という公的な機関が、公に、非常に低い確率の危険性であっても、考慮する必要があるのだということを表明するのはあまりよろしくないのではと思いました。
輸血を受ける患者の安全性を最優先させるという理由で、というのもどうか。これはある種のゼロリスク信仰ではないのか。
そんなことを思いました。