Log of ROYGB

はてなダイアリーが廃止されるので、引っ越しました。

盗まれた自転車を取り返すのも違法

たとえば、自転車が盗まれて犯人と自転車の所在が分かっているとき、この自転車を奪い返す行為は自力救済にあたり罰せられる。こうした自力救済を容認すると、力が正義ということになり、実力行使を請け負う私的機関がはびこって社会秩序の維持が難しくなるためである。近代化にともない、権利のあるなしの判断や執行は裁判所によってなされるべきとされ、私人の介入を排した。

自力救済 - Wikipedia


昨日紹介したニュースで、撤去された自転車を取り返した人が窃盗容疑で取調べを受けたのは、法律*1に定められた正当な手段で自転車の移動を行ったからだと思っていたのですが、そうでもなかったようです。
つまり、盗まれた自転車を自分で取り返した場合でも法律に反するようです。窃盗になるのかは不明ですが。

民法のなかで自力救済を規定した条文は存在しない。しかし通説・判例は原則禁止の姿勢をとっている。法律構成としては、占有訴権について定めた民法202条第2項を適用する。どのように入手されたものでも(盗んだものであっても)ひとたび占有された以上占有権が発生し、それを自力で奪い返すと占有権侵害となって不法行為により損害賠償請求権などが相手側に発生する。原則、これを取り戻すためには法的根拠と司法手続が必要となる。

自力救済 - Wikipedia


ところで、この自力救済の禁止というのはどの程度まで適用されるのでしょうか。通常、争いごとがあっても裁判になることは少ないでしょうが、裁判によらずに解決することが全て自力救済として禁止されるというのは少し考えにくいです。
極端な話、目の前で自分の自転車を乗り逃げされたとして、これを捕まえるのも自力救済になるからダメなのか。と思ったけど、これは現行犯だから逮捕できるのか。
身近な争いごとを何でも警察に連絡したり裁判にするというのは、どちらかというと批判的に述べられることが多いと思いますが、法律上の解釈としては私的な解決は好ましくないのでしょうか。


ブログのコメント欄や掲示板の書き込みを削除するのはどうか。それが法的に問題のある書き込みだとしても、それを削除することは自力救済にはならないのでしょうか。IPなどで書き込みを制限するのはどうか。
パスワードの流失でブログなどが乗っ取られたときに、それを自力で取り返すのは勝手に使われた自分の土地を取り返すのと似たような構図ですが、ブログの場合でも占有権が発生したりするのかな。

*1:条例かもしれないけど、広い意味では法律でもいいでしょう。