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脳死と妊娠中絶

カトリック脳死を認めているのだろうかという疑問が浮かびました。妊娠中絶に対しては反対していて、受精卵であっても人であるという考え方からすれば、脳死であってもまだ人であるという判断なのかと想像しました。
しかし、検索してみた範囲では、カトリックとしては脳死や臓器移植を肯定的にとらえているようなので驚きました。少なくとも、妊娠中絶に対するような反対はしていないようです。


脳死と妊娠が関連しているものとしては、脳死と判定された妊婦が出産するといったこともあるようです。脳死を人の死とするのならば、死んだ人が子供を生んだことになります。


キリスト教の聖書の中には、死んだ人が生き返る話がいくつか登場します。これは事実というよりは寓話のようなものとして解釈するのが現実的な解釈でしょう。でも、死んだ後に臓器を取り出していても生き返れたんだろうかなんてことも思わないではありません。


星新一氏のショートショートで、中絶した胎児の臓器を移植用に培養するというのがありました。作品中では秘密の臓器移植を探っていった先がこれで、法律上は問題ないので手が出せないとなっていましたが、現実の法律としてはどうなんでしょう。臓器を培養する技術があるのかという問題もありますが。


もうひとつ星新一氏の、これはエッセイだったと思うけど、臓器移植のために人工的に脳のない無脳児を作り出したらどうだろうというのがありました。たしか技術的には可能だとしても、倫理的には受け入れられないだろうとも書かれていたような。
検索してみたら、無脳児からの臓器移植というのは実際に日本で行われたことがあるようです。もっとも、意図的に無脳児をつくりだしたわけではもちろんないようですが。


カトリックでは無脳児の場合でも人と認めるのでしょうか。人でないとした場合は、妊娠中絶も認めるのだろうかとか、無脳児でも人で中絶は認められないとなるのでしょうか。でも中絶は認められなくても、生まれたあとは脳死であるとして臓器移植のドナーにすることは出来るのでしょうか。