Log of ROYGB

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SFマンガ

http://d.hatena.ne.jp/kaien/20100616/p2 の「とにかくまずこれくらいは押さえておくべき少女漫画二〇作。 - Something Orange」に関して。
白泉社の作品が多いなというのは他の人のブックマークコメントにもありましたが、他にSF作品が多いとも思いました。


SFマンガはわりと読むのですが、なんとなく少年マンガに比べて少女マンガの方がSF作品が多いという印象があります。ただこれは統計を取ったものではないし、何をSFとするのかによっても変わるでしょう。
たとえば「王家の紋章」もタイムトラベル物のSFとしてとらえることもできなくはありません。過去の時代で歴史の知識として知っていることを話すことで、未来を予知したと思われたりします。文系女子であるキャロルは、「アーサー王宮廷のヤンキー」の主人公ほどではありませんが、現代の知識を使うことで、濾過器をつくって濁った水をきれいにしたり、鉄の剣を焼入れする方法を教えたりします。また、大怪我をしたときに都合よく現代に戻って治療を受けたことで、傷跡がないのを不思議がられたりします。


SFマンガという観点から、いくつか頭に浮かぶ作品を選んでみます。


銀の三角 (白泉社文庫)

銀の三角 (白泉社文庫)

銀の三角」はSFマガジンに連載されていた作品です。最近のSFマガジンには、こういったSF作品としてのマンガの連載がないのが寂しいところです。もっと昔だと「鳥人大系」とかが連載されていたようです。

未来の宇宙が舞台で、辺境では現代とさほど変わらない生活をしていますが、中央では人の寿命も長く、事故で死亡した場合にも保存しておいた記憶をクローンに移すことで生き返ることが可能です。
銀の三角というのは星の名で、そこにすむパントーという種族がストーリーに大きくかかわります。
同じ作者の作品だと「あそび玉」や「11人いる」、「スターレッド」も好き。原作つきの「ウは宇宙船のウ」や「百億の昼と千億の夜」なんかも。



エデン 2185

エデン 2185

2085年に地球を出発した宇宙船「エデン」が同じ名前の目的地エデンに到着するのは100年後。いくつかの短編からなっていて、100年間の旅と船内社会の変化が描かれています。
「私を月までつれてって!」もいいけど、これはモチーフになっていたり登場するSF作品を知っていてこそという部分もあります。



人が住むのに適切な環境を整えるテラフォーミングがまだ途中の惑星ハザン。そこに住む人々は、改造機のメンテナンスを自分たちで行うためにある決断をしました。
ハザンに固有の植物ミスルトを接種することで脳に変化をもたらし、超人と呼んでも良いほどの思考能力を身に付けるのですが、避けられない副作用もあって…。



一人暮らしの大学生、慎平の住まいをたずねてきた女の子の早紀。おじいちゃんに言われて、いっしょに暮らすために来たという。
これだけだと、よくある押しかけ女房物で、どこがSFかわかりませんがあまり書くと第1話のネタバレになってしまいます。驚くべき能力を持つコンピュータが登場するあたりがSFでしょうか。
連作短編形式ですが、きちんと結末をつけているのが高ポイントです。



那由他 (1) (MF文庫)

那由他 (1) (MF文庫)

電子コミックもあります。http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/16510.html
頭にかぶることで、人が本来持っているという超能力が引き出せるというジャルンと呼ばれる輪。キロという男の子を助けたことで、那由他は宇宙人との戦いに巻き込まれていきます。



とりあえずこんな感じ。同じ人からは1作品としてある程度の長さがあるものにしました。短編で好きな作品もあるのですが、たとえば藤子・F・不二雄から1作品選ぶとか困る。それから長い作品も外しました。「火の鳥」とか。でも選ぶとしたら復活編かな。