SFマンガ
http://d.hatena.ne.jp/kaien/20100616/p2 の「とにかくまずこれくらいは押さえておくべき少女漫画二〇作。 - Something Orange」に関して。
白泉社の作品が多いなというのは他の人のブックマークコメントにもありましたが、他にSF作品が多いとも思いました。
SFマンガはわりと読むのですが、なんとなく少年マンガに比べて少女マンガの方がSF作品が多いという印象があります。ただこれは統計を取ったものではないし、何をSFとするのかによっても変わるでしょう。
たとえば「王家の紋章」もタイムトラベル物のSFとしてとらえることもできなくはありません。過去の時代で歴史の知識として知っていることを話すことで、未来を予知したと思われたりします。文系女子であるキャロルは、「アーサー王宮廷のヤンキー」の主人公ほどではありませんが、現代の知識を使うことで、濾過器をつくって濁った水をきれいにしたり、鉄の剣を焼入れする方法を教えたりします。また、大怪我をしたときに都合よく現代に戻って治療を受けたことで、傷跡がないのを不思議がられたりします。
SFマンガという観点から、いくつか頭に浮かぶ作品を選んでみます。
- 作者: 萩尾望都
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 1994/09/01
- メディア: 文庫
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未来の宇宙が舞台で、辺境では現代とさほど変わらない生活をしていますが、中央では人の寿命も長く、事故で死亡した場合にも保存しておいた記憶をクローンに移すことで生き返ることが可能です。
銀の三角というのは星の名で、そこにすむパントーという種族がストーリーに大きくかかわります。
同じ作者の作品だと「あそび玉」や「11人いる」、「スターレッド」も好き。原作つきの「ウは宇宙船のウ」や「百億の昼と千億の夜」なんかも。
- 作者: 竹宮恵子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1985/06/01
- メディア: 単行本
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「私を月までつれてって!」もいいけど、これはモチーフになっていたり登場するSF作品を知っていてこそという部分もあります。
- 作者: 佐藤史生
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 1988/02/01
- メディア: 単行本
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ハザンに固有の植物ミスルトを接種することで脳に変化をもたらし、超人と呼んでも良いほどの思考能力を身に付けるのですが、避けられない副作用もあって…。
- 作者: 柴田昌弘
- 出版社/メーカー: 朝日ソノラマ
- 発売日: 2000/09
- メディア: 文庫
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これだけだと、よくある押しかけ女房物で、どこがSFかわかりませんがあまり書くと第1話のネタバレになってしまいます。驚くべき能力を持つコンピュータが登場するあたりがSFでしょうか。
連作短編形式ですが、きちんと結末をつけているのが高ポイントです。
- 作者: 佐々木淳子
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2000/12/01
- メディア: 文庫
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頭にかぶることで、人が本来持っているという超能力が引き出せるというジャルンと呼ばれる輪。キロという男の子を助けたことで、那由他は宇宙人との戦いに巻き込まれていきます。
とりあえずこんな感じ。同じ人からは1作品としてある程度の長さがあるものにしました。短編で好きな作品もあるのですが、たとえば藤子・F・不二雄から1作品選ぶとか困る。それから長い作品も外しました。「火の鳥」とか。でも選ぶとしたら復活編かな。