奇跡と確率
ヨハネ・パウロ2世が聖人としてみとめられたようです。
「聖人」となるには、通常、死後、2つの奇跡を起こしたことが認定される必要があり、このうち、ヨハネ・パウロ2世は、フランスの修道女と中米コスタリカの女性を重い病から回復させたことが奇跡と認められました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140427/k10014069621000.html
科学的に考えれば奇跡などはありえないのではないかと思いましたが、確率的にはありえるのかもしれません。たとえば1万回に1回という非常に低い確率でしか起きない現象でも、数万回の試行を繰り返せば1度や2度くらい起きても不思議ではありません。宝くじの1等が当たる確率は低くまずありえないといってもいいくらいですが、誰かは当たるのと似ています。
だから、生涯に数多くの病人などに祈りを捧げたであろう法王が、何度かのそれ単独で見ればありえない程の低い確率の現象に遭遇していたとしても説明はつきます。つまり神の力などの仮説を想定しなくても、奇跡と思える現象が起きるだろうということです。
ユリ・ゲラーがTVの視聴者に、動かなくなった時計がある人はTVの前に持ってきて欲しい、超能力で動かしてみせるということを言ったことがあります。そして実際に時計が動いたという声が多くの家庭からTV局に寄せられたという話です。これも、TVの前に時計を持ってきた沢山の視聴者のうち偶然に時計が動くようになった人がTV局に連絡してきたと考えれば超能力が無いとしても説明できます。
健康食品などの体験談でも同様のことが言えます。身体の具合が良くなったという体験に嘘が無いとしても、それが健康食品の効果を証明するものではありません。
でも何かにすがりたいという人の心をむやみに否定するのも良くないのではないかと思ったりもします。
杖に頼らなければ歩けない人がいたとして、自分が杖などなくても歩けるからといって杖など不用だということをことさらに言い立てることもない、そんな感じです。
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