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基本的人権は、世界に自分ひとりだった場合でも存在するか

基本的人権とは誰もが持っていて奪うことが出来ない権利であり、憲法でも基本的人権は保証されています。
でも、本当にそうでしょうか。
選挙権は基本的人権でしょうか。過去には女性には選挙権は無かったし、税金をあまり払っていない男性にもありませんでした。それが今では男女や納税額に関係なく誰でも持っている権利、それが選挙権。

しかし現代の日本でも子供には選挙権はありません。選挙権が認められていない子供には基本的人権が無いのでしょうか。
子供にも基本的人権はある、そう考えるならば子供が持っていない選挙権は基本的人権ではありません。ある種の権利ではあるものの大人には認められるけれど子供には認められない権利、それが選挙権です。
選挙権が無い民主的な国家というのも考えられます。直接民主制の国ならば選挙の必要は無いので、選挙権もありません。では直接民主制の国の国民には基本的人権は無いのでしょうか。
子供にはない、直接民主制の国の国民にも無い選挙権は、普遍的な基本的人権というよりは、間接民主主義の国を維持するための仕組みに近いものではないでしょうか。その仕組みのなかで決まっている範囲では人権と言えるかもしれません。
選挙権のある国でも、日本だと1票の格差が大きいことは違憲だけれども、アメリカの上院のように1票の価値の差がものすごく大きくても問題がない場合もあります。だから1票の価値の平等というのは選挙権よりも狭い範囲で成立する仕組みです。しかしそれが成立する日本においては1票の価値の平等も人権と言えるのではないでしょうか。これらの人権は国という社会の仕組みと関連して存在しているものです。


もっと基本的な例えば生存権ならば、国とは関係なく存在するかもしれません。生きる権利というのは選挙権よりも普遍的で、国が無くなったとしても消えないのではないでしょうか。
でも世界に自分ひとりだけになったら生存権があると言えるのかどうか。自分が出来る範囲で生きていくことはできるでしょうが、病気になったりケガをしたりしても生存権が何とかしてくれるわけではありません。
そうしてみると、権利と言うのはそれに対応してくれる誰かや何かが存在しないと成立しないと考えられるのではないでしょうか。それともそれだけで成立する権利というものもあるのでしょうか。