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無理数と分数と極限

√2のような無理数は分数で表すことができません。背理法を使った証明が有名ですが、√2が分数で表せたと仮定すると矛盾が出ることから分数で表せないことを証明しています。
しかし分数の極限を使うと√2をあらわすことが出来るようです。連分数を使った表記は有名ですが、分子と分母が整数の普通の分数で√2に収束する数列を作ることが出来ます。*1
分数で表すことができない√2が、分数の数列の極限で表せるというのは不思議です。そして、分数の数列の極限は分数ではないという、これまた少し不思議なことも導くことができます。これは、√2が分数で表せると仮定すると矛盾する背理法が正しいとするならばそうなります。分数の数列の極限は√2を表すことができるが、それはもう分数ではない。


分数の数列の極限が分数ではないとすると、小数の極限も小数ではないということも言えそうな気がします。つまり、無限小数は小数ではないということです。
小数は分数で表すことができます。0.123は123/1000と表せます。0.333…のような無限小数でさえ1/3というシンプルな分数で表すことができます。
それでは√2のような無理数を小数で表すことができるでしょうか。できるというのが通常の数学の解答で、√2は1.41421356…のような無限小数で表せるとなっています。ではこの無限小数を分数で表すことはできるでしょうか。
これは出来ないとも言えるし、出来るとも言えます。つまり有限の桁数の整数を使った分数では表すことはできないものの、使用する整数の桁数を増やしていった極限の分数を考えれば√2を表すことが出来るというのは先に書いたとおりです。しかし数列の極限としての分数は分数ではないというのも先に書いた通り。
だとすると、同様に無限小数も通常の小数とは別の物として考える必要があるのではないか。少なくとも循環しないタイプの無限小数については別の物とした方が、分数の場合との整合性がとれるのではないでしょうか。

*1:参考:「ルート2を連分数の極限として求めようとしたら行列が出てきた(中編) - しいたげられたしいたけ」 http://watto.hatenablog.com/entry/2016/12/04/030000