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メデューサと蛇と石化

メデューサギリシャ神話に出てくる怪物で、人を石化させる力があるとされていますが、昔のギリシャ人はどうしてそんなことを思いついたんだろうと考えてみました。
以下の2つがきっかけとしてありそう。

  1. 蛇の性質から
  2. 石化した人から

まず蛇の性質というのは、毒蛇にかまれて体が動かなくなるということ。蛇の毒によって噛まれた身体の部分が動かなくなったり死んでしまうことは現実にあって、噛まれた場所の感覚が無くなりまるで石にでもなったかのように感じるといったことからの連想で、蛇の力を持つメデューサを考え付いたのではないか。
蛇の力といえば、蛇ににらまれた蛙といったことわざがあり、英語でも Frog that was started in snake. という表現があり、おそらくはラテン語ギリシャ語の時代にも似たような言葉はあったのではないか。そしてそういう言葉が出来たということは、蛇が蛙などの小動物の動きを止める力があるということは信じられていたということでもあります。こちらの方が目の力で石化させるメデューサの力に近いかも。


もうひとつはまるで不思議な力で石にされたかのような人が見つかっていたことから、人を石にする怪物を連想したのではないかということです。火山灰に埋もれた街などが見つかることはあるようですが、そういった場所で見つかる人はまるで石になったかのように固まっていることがあるようです。そういった石になったような人を見つけたときに、不思議な力で石にされたと考えても不思議はないのではないでしょうか。旧約聖書の塩の柱になった人というのも似たような何かを見ての連想で、聖書だと神の力で塩にされたと考えて、ギリシャ神話ではメデューサの力で石になったと想像したのではないでしょうか。
そういえば蛇を邪悪な者とする考え方も聖書とギリシャ神話で共通しています。


メデューサにはエウリュアレーとステンノーという2人の姉がいたとされていて、この姉もメデューサと同じ蛇の頭と石化の力を持っていて、さらに不死でもあったようです。三姉妹のうちでメデューサだけが不死ではなかったためにペルセウスに倒されてしまうので、三姉妹のうち最弱だったとも言えるわけですが、知名度としてはメデューサが一番なのは面白いところです。
ペルセウスは倒したメデューサの首を自分の盾に取り付けて、石化の力を使えるようになりました。アンドロメダを助けるときにその力を使ってるのですが、死んだ後も石化の力は残っているというのも不思議なところです。そして力のオンオフはどうやっているのか。うまくコントロールできないと、すれ違う人を間違って石にしてしまうなんてこともありそう。