Log of ROYGB

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定滑車と動滑車とロープ

 ネットで見つけた滑車を使った問題について。

算数の問題です。問題:「図のように、体重60kgの人がゴンド... - Yahoo!知恵袋

これはヒモが3本だから3分の1の力で引っ張れるとしてもいいけど、1センチ引いた場合にゴンドラが何センチ移動するかでも力の比率を求められる。定滑車だけだと30キロになるけど、これもちょっと不思議。

2019/04/09 16:09

 

ローブが3本なので3分の1というのも説明として正確ではないなと後になって思ったのでその辺の話。

まずは定滑車だけの場合。

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定滑車1

こういう定滑車を使った場合には、60キロの人を持ち上げるのに必要な力は60キロ*1となり、力は変わりません。

 

次に別の人ではなく、自分で持ち上げた場合。

 

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定滑車2

こういう場合だと、持ち上げるのに必要な力は体重60キロの半分の30キロになります。別の人だと60キロで、自分だと30キロなのは不思議な感じがします。同じ物を持ち上げるのに半分の力でいいとすると、エネルギー保存の法則がくつがえってしまう、なんてことはもちろんありません。

最初の場合だとロープを1メートル引けば、ゴンドラは1メートル上昇するのに対して、自分を自分で引き上げる場合だとロープを1メートル引いても50センチしか上昇しません。つまりテコと同じで力が少なくなった分だけ沢山動かす必要があるわけです。この場合は定滑車であるにもかかわらず、動滑車的な働きをしていると考えることが出来ます。

最初の場合も次の場合も、ロープの本数で見ると2本であるのに、必要な力は違います。これがロープが3本だから3分の1というのは不正確だと考えた理由。

 

最初の問題の場合は1メートルロープを引くと、ゴンドラは3分の1メートル上昇するので、力は3分の1の20キロですむわけです。そして力が20キロなので、体重計のメモリは40キロになるという結果はリンク先の回答と変わりません。

図には定滑車と動滑車と書いてあり、それは嘘ではないのだけれど、定滑車も動滑車的な働きをして力を減らす効果を生み出してるのが引っ掛け問題なのかなと感じました。

 

*1:正確にはキログラム重