存在しない二角形
ツイッターで見かけた四角形の話から、角とは何かについて考えました。
姪っ子が小学校の時の問題で、四角形を書けと言われ図の四角形を書いた。 不正解で怒ってた。
— 小学生の父 (@91cuY3K2TNbivaz) 2020年3月12日
変な四角形書く姪っ子も変だけど、コレ、四角形じゃね?
正解の様に思うけど……分かる方います? pic.twitter.com/XqdsWS1HDS
これは定義にもよるのですが、4つの辺でかこまれた図形という部分は長方形などの四角形と共通しています。4つの角についても共通しているように思えます。
しかし180度よりも大きな角を認めるかという問題はでてきます。
三角形の場合には角の大きさが直角よりも小さいか大きいかで種類を分けることがあります。3つの角すべてが直角よりも小さいものは鋭角三角形で、一つの角が直角ならば直角三角形、そして1つの角が直角よりも大きければ鈍角三角形です。
四角形の場合は、全ての角が鋭角の四角形は存在しません。一部の角が直角の四角形は存在しますが直角四角形という言い方はなく、4つの角すべてが直角の四角形は長方形または正方形になります。
一つ以上の角が直角よりも大きくなる四角形も存在しますが、鈍角四角形という言い方もありません。
ツイートで問題になっている四角形は凹四角形とも呼ばれるようで、1つの角が180度以上になっています。鈍角三角形が三角形であるように凹四角形も四角形の仲間と考えていいのでしょうか。
角度が何度であっても4つの角を持つ図形は四角形であると考えるならば、凹四角形も四角形の仲間です。しかしこの定義だと問題になる場合もあって、角が180度ぴったりの場合です。
角度180度は直線になり、通常は角とはみなされませんが、角度として存在しないわけではありません。なので任意の角度を角とみなすのであれば、180度も角とみなすのが一貫性からは望ましいように思えます。
180度を角と認めると、三角形を1つの角が180度の四角形だとみなすこともできてしまいます。同様に五角形や六角形であるとも考えることが可能で、多角形の区別が出来なくなってしまいます。そういう問題からすると、やはり180度は角から外した方がいいかもしれません。
他には0度も角から外した方がいいかもしれません。0度を認めると、三角形の3つの角度が0度、90度、90度みたいな無限に細長い三角形も認めることになってしまいます。
無限に大きくても三角形は三角形だとすると、二角形という図形も存在することになってしまいます。
半円は直線と曲線で囲まれた形で2つの角を持ちますが、辺の一つが曲線なので多角形とはみなされません。
しかし円の直径を無限に大きくした極限では円弧は直線になるので、これを多角形であるとすれば、存在しないはずの二角形になります。
無限に大きくしないで、半円の一部を切り取るように小さくする極限でも同じように円弧が直線となるので、この方法でも二角形は実現できます。