グラフで見るローレンツ変換3
今回は宇宙船の長さが縮むローレンツ短縮が本当にあるのかについて。
前回ものせた1光秒はなれた宇宙船が移動する様子をグラフにしました。1光秒はなれて進む宇宙船同士の距離は1光秒で、これは半光速で移動していても変わらないみたいです。だとするとローレンツ短縮は存在しないのでしょうか。
宇宙船間の距離を光ではかってみます。時間0秒の時に宇宙船1と同じ場所から発射された光は2秒の時に宇宙船2に追いつきます。宇宙船1から宇宙船2まで光で2秒かかるということは長さは2光秒になるのでしょうか。
逆に宇宙船2から光を発射したらどうなるでしょう。
2秒の所で進む方向が逆になり宇宙船2から1へ向かう光は、約0.67秒後に宇宙船1に到着します。光が0.67秒で到着したということは、宇宙船2から1までの距離は0.67光秒でしょうか。
宇宙船1から発せられた光が宇宙船2まで届くのにかかる時間:2秒
宇宙船2から発せられた光が宇宙船2まで届くのにかかる時間:約0.67秒
このようにどちらからどちらに向けて光を発するかで、届くまでの時間が変わってしまいます。
往復でかかる時間で考えて平均にすると約1.33秒です。
ちなみにローレンツ短縮の式は√(1ー(v/c)^2)なので、v=0.5cから計算結果は0.87となります。これは静止状態で1光秒の長さだったものが、0.5光速で移動している場合には長さが0.87倍になるということです。
しかし上のグラフから考えると、そうはならないのです。
これは加速を考えていないからだ。という理由も考えてみたのですが、どうも関係なさそうです。
たとえば地球と月に粒子加速器を設置して、同じタイミングで0.5光速に加速された粒子を発射した場合には、上のグラフのようになるはずだからです。