Log of ROYGB

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グラフで見るローレンツ変換4

前回は1光秒離れて進む二隻の宇宙船の距離を、光を使って確認しました。

宇宙船1から発せられた光が宇宙船2まで届くのにかかる時間:2秒
宇宙船2から発せられた光が宇宙船2まで届くのにかかる時間:約0.67秒

 という、どちらからはかるかによって光の届く時間は変わり、光が届く時間で計算した距離も変わってしまいます。
こんどは宇宙船視点のローレンツ変換後のグラフで考えて見ます。

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図1:1光秒はなれて半光速で進む二隻の宇宙船と光

宇宙船視点なので、宇宙船は動いていません。そしてグラフからみた二隻の距離は約1.16光秒です。
宇宙船1から2まで光が届く時間も約1.16秒で同じになります。
逆がどうなるかを考えるために、宇宙船2に到着した時点で光の向きを逆にしたグラフにします。

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図2:宇宙船1から発射した光を宇宙船2で反射させる

逆方向の光の移動距離はこれまでになく多くなり、そのままだとグラフをはみ出してしまうので目盛りを修正しました。光の速度はどちら向きでも同じですが、静止状態での1秒あたりに進む距離というのはローレンツ変換後では異なる値になるという不思議な現象が確認できました。
宇宙船2から1まで光が届く時間については約1.16秒となります。

つまり、
宇宙船1から発せられた光が宇宙船2まで届くのにかかる時間:約1.16秒
宇宙船2から発せられた光が宇宙船2まで届くのにかかる時間:約1.16秒

 となり、どちらから光が発せられたかにかかわらず同じ時間なので、光の移動時間から計算される距離も同じということになります。
だからローレンツ変換後に出てきた宇宙船1と2の距離は、約1.16光秒ということです。
ローレンツ短縮の0.87倍とは逆に、距離が1光秒から長くなっています。そしてローレンツ短縮の0.87倍というのはどこにも出てきません。
しかしローレンツ短縮が嘘なのかというとそうでもなく、次回はそれを説明する予定です。