Log of ROYGB

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グラフで見るローレンツ変換6

光の速度は観測者によらず一定であるという光速度不変の原理は、相対性理論の基礎をなしています。*1しかし速度は一定ではあるものの、静止時と移動時では移動する距離は変わってしまうというのは、あまり知られていない気がします。
宇宙船の出発地点からの光1と5光離れた場所から逆方向に進む光2を考えます。

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図1:逆方向に進む2つの光

この2つの光の移動をグラフで表します。

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図2:逆方向に進む2つの光の軌跡

時間が0から5に変化するときに、光1は0から5に進み、光2は5から0に進みます。時間の単位は秒で、距離の単位は光秒なので、どちらも5秒で5光秒すすんでいます。速度はもちろん同じで、移動する距離も同じです。
これが宇宙船視点でのローレンツ変換後だとこうなってしまいます。

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図3:ローレンツ変換後の2つの光

ぱっと見ただけで2つの光をあらわしている線の長さが違うことがわかります。速度である線の傾きは変わっていませんが、線の長さは変わっています。

光1は2.89秒で2.89光秒進み、
光2は8.66秒で8.66光秒進みます。

静止状態からみるとどちらの光も5秒で5光秒進んでいたので、それが変化してしまっていることになります。ローレンツ変換で変化しないのは光の速度だけで、時間や距離は変わってしまうのです。

光速度不変の原理は観測者の速度によらず成り立つが、光の移動距離は観測者によって変わる。

 

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*1:光速度不変と相対性原理の2つだけを仮定することでローレンツ変換の式を導き出すことができる。