Log of ROYGB

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ローレンツ変換と光の伸び縮み

ローレンツ変換光速度不変の原理から導き出されているので、光は観測者によって変化しないと誤解されてることが多いみたいですが、実際は伸び縮みするのだというのを前に「グラフで見るローレンツ変換6」で書きました。

 

roygb.hatenablog.com

今回は、どのくらい光が伸び縮みするのかを書いていきます。
移動する視点からのローレンツ変換した光の長さは、速度によって変わります。

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観測者の速度が光の60%の速度のときには、光の長さは半分になります。長さだけでなく時間も半分になるので、光の速度としては変わりません。つまり、静止している観測者から見て10秒間に10光秒進む光は、移動する観測者からは5秒間に5光秒進む光になるということです。長さと時間が同じ割合で変化するというのは、昨日書いたローレンツ短縮の式と、時間の遅れの式が同じであるのと似ています。
光の向きが逆になった場合も考えて見ます。観測者と同じ方向ではなく、向かってくる光だと、速度によって伸びてしまいます。

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速度0のときは変化なしで、光速の60%で2倍にというように、縮む場合の逆数になっています。だから観測者の速度が光と同じになってしまうと、長さ無限大になるわけです。
数式も書いておくと、同じ方向に進む場合は
(1-v)/√(1ーv^2)
逆向きに進む場合
(1+v)/√(1ーv^2)
となります。ローレンツ短縮とは異なる割合ですが、これもローレンツ変換から求めたものです。つまり光速度不変から、光の長さや時間が伸び縮みすることが導き出されるということです。