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「紫色のクオリア」と「玩具修理者」

紫色のクオリア」を読みました。

紫色のクオリア (電撃文庫)

紫色のクオリア (電撃文庫)

他の人がロボットに見えるという設定からは、「火の鳥 復活編」を連想したりしたのですが、読んでいくと「玩具修理者」と似ていると感じました。でも似ていると言っても話の印象はだいぶちがいます。「五人姉妹」と「人獣細工」ほどではないけれど。


クオリアという言葉の使い方には違和感があります。違いが説明可能であったらクオリアではないはずだからです。他の人がロボットのように感じられるだけならばいいのですが、絵に描いての説明が可能であることからはクオリアとは別のものだと思います。また、見えるだけでなくそこから派生する能力も現実のものです。
ただし、これは登場人物がクオリアと認識しているということで説明はつきます。よくわからない現象を説明するのに、とりあえずクオリアという言葉を使っているだけだと。


量子力学観測問題については「宇宙消失」や「時間的無限大」を思わせる部分がありました。万物理論については「万物理論」。長い数式などを絵によってひと目で認識する能力というのは「やどり木」というマンガにもありました。


でもSF的な話として読むと、毬井ゆかりの能力とはいったいどういった理屈によるものなのかというのが気になります。「ファイブスター物語」のように、SFではなく神話やおとぎ話として読んだほうがいいのかも。



玩具修理者 (角川ホラー文庫)

玩具修理者 (角川ホラー文庫)


宇宙消失 (創元SF文庫)

宇宙消失 (創元SF文庫)


時間的無限大 (ハヤカワ文庫SF)

時間的無限大 (ハヤカワ文庫SF)


万物理論 (創元SF文庫)

万物理論 (創元SF文庫)