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蚊と寄生虫

蚊に刺されたときに痛くないのは、痛かったら即座に反応されて生存に不利だからそうでない個体が生き残った。人が蚊に刺されてかゆみを感じたり、羽音に敏感に反応するのは、そうでないと伝染病の感染などによって生存に不利だからだといった考え方があります。


だとすると、もし蚊に刺されることが生存に有利に働くのだったら、それが快感になるような個体が進化によって選択されていくのでしょうか。


蚊と人の関係と少しは似ていて、しかも共存関係にあるものというと「そうじ魚」が思い浮かびます。そうじ魚は、大きな魚の寄生虫やいらない体表の組織などを食べることで役に立っています。大きな魚によって守られながら食べ物も得られるので、そうじ魚にもメリットはあります。
人間の皮膚を食べるドクターフィッシュというのも、TVなどで紹介されているのを見たことがあります。それによると、皮膚を食べられるのはくすぐったいけれども気持ちがいいようです。


ドクターフィッシュに古くなった皮膚を食べられることが生存に有利になるのだとしたら、それを気持ちよく感じることにも進化による何かがあるのかもしれません。不快に感じる個体は淘汰されてしまったとか。


マゴットセラピーについてはどうでしょう。傷口の壊死した組織をうじ虫に食べさせることで直りをよくするというのは経験的に知られていて、それを医療に利用したのがマゴットセラピーです。
傷口をうじ虫に食べられることが直りを良くするのだとしたら、それを不快に感じて嫌がることは生存に不利になるはずです。だからうじ虫が傷口を這い回って壊死した組織を食べることが心地よく感じる人の方が、自然淘汰に勝ち残っていけるのかもしれません。


蚊などの虫刺されに、他の人よりも激しいかゆみなどのアレルギー反応を起こす人もいます。それによって他の人よりも慎重に虫を避けるようになれば、生存に有利になったりするのでしょうか。
アレルギーなどに寄生虫が有効だとする説もあります。体内にいる回虫などの出す物質に絶えずさらされていることで、花粉症などのアレルギーなどがおきにくくなるというものです。
寄生虫が宿主にとって有益だというのは意外な感じもしますが、宿主の生存確率を高めれば寄生虫にとっても有利だというのもありそうな気もしてきます。


非常に進化した寄生虫が、宿主を変化させてとてつもない能力を引き出す。なんてこともあったりするかもしれません。


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参考リンク
蚊は何故もっとスマートに刺さないのか? 読書猿Classic between - beyond readers
http://readingmonkey.blog45.fc2.com/blog-entry-345.html


蚊の妖精学 - faireal.net
http://www.faireal.net/articles/8/06/#d30904