Log of ROYGB

はてなダイアリーが廃止されるので、引っ越しました。

謎の王子さま

ハリー・ポッターシリーズの最新作は、「ハリー・ポッターと謎のプリンス」という題名のようです。しかし、原題「Harry Potter and the Half-Blood Prince」を直訳すれば「謎」のではなく「混血」のプリンスになるはずです。

しかし、原題とは違う題名になることは珍しいことではありません。「星の王子さま」も原題とは違っています。去年は、沢山の新しい訳で「星の王子さま」が出版されましたが、ほとんどの題名は「星の王子さま」でした。中には「小さな王子さま」や「小さな王子」という題名の本もありますが。

それ以外では「赤毛のアン」や「若草物語」が原題とは違う題名として有名でしょうか。直訳した題名ならば「グリーンゲイブルズのアン」、「リトルウーマン」のようになります。

銀河ヒッチハイクシリーズというSFが、新潮文庫から出ていたのですが、ながらく絶版でした。シリーズ1作目の「銀河ヒッチハイクガイド」は復刊ドットコムで投票を集めていちどは復活しましたが…。
それが映画になったおかげか、河出文庫から新しく出版されました。新潮版では3作目までしか出ていないのですが、河出版では最後の5作目まで出す予定のようです。
3作目の「宇宙クリケット大戦争」の題名は、原題とは違っています。原題「Life, the Universe and Everything」の直訳ならば「生命、宇宙そして全て」とでもなるはずです。河出版では訳も新しくなっていて、「Don't panic」を新潮版の「あわてるな」ではなく、「パニくるな」とするなど前との違いが目立ちます。しかし、題名に関しては新潮版を踏襲しているのが面白いところです。

原題とは違う題名でいえば、これまた長らく絶版だったのですが最近復活したディマレストサーガについて。このシリーズの題名は第1作の「嵐の惑星ガース」から全て「○○惑星○○」という形式になっています。1作目の原題は、「ガースの風(THE WINDS OF GATH)」なのでわからなくもないのですが、2作目の「夢見る惑星フォルゴーン」では「デライ(DERAI)」なので全く原題との関連がありません。ちなみにデライは登場する女性の名前です。シリーズの統一感を出すために、日本語タイトルの法則を決めたのかもしれませんが、後の方ではだいぶ無理のあるタイトルもありました。

タイトルの変更は日本に限りません。ハリー・ポッターシリーズでは、英語版でもタイトルの違うものがあります。第1作の「ハリー・ポッターと賢者の石(Harry Potter and the Philosopher's Stone )」には、「ハリー・ポッターと魔法使いの石(Harry Potter and the Sorcerer's Stone )」という別タイトルの作品があります。これはアメリカ版で、タイトルが違うだけでなく、中身もイギリス英語がアメリカ英語に翻訳されています。2作目からは、そんなことは無いようです。