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戦争小説2冊

映画が話題になってる「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」の原作小説がアマゾンのアンリミテッドにあったので読んでみました。かなり飛ばし読みですが、だいたいのストーリーや設定は理解できました。現代の女子中学生が戦争末期の日本にタイムスリップして戻ってくる行きて帰えりし物語です。時間移動物の定番である、過去での何か又は誰かに現代で再開というのも踏襲しています。また、身元不明者がいきなり表れて怪しまれないのかといった疑問も、空襲で焼け出されたと誤解されるみたいに、わりとうまいことつじつまを合わせています。あとがきにも書いてありますが、作中の最後に表れる施設を著者が訪問したことがきっかけなので、作品としては最後から始まってる感じです。

 

ついでにというか、小松左京の戦争SFがまとめられた短編集も読みました。「お召し」だけは違いますが、他は日本が戦争してない歴史だったり、降伏してない並行世界など歴史にないはずのifを持ち込んだSFです。これも作品によってはかなりよみづらかったりもして、流し読みです。「地には平和を」は、未来から来た人物が歴史を変えようとする話で、これがSF作家として最初の作品みたいです。逆に現代の日本と同じような世界にもかかわらず、戦争をしていない世界でただ一人戦争の記憶がある主人公が狂人扱いされる「戦争はなかった」は、なんでそうなったかという説明は全くないので、SFというよりは寓話的という感じもします。