Log of ROYGB

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SF狂い

はてなブックマーク経由で見たhttp://d.hatena.ne.jp/sinden/20070726/1185456121の「雲上四季 - SFファン?それとも、SFのひと?」に関して。

 これ、ニュアンス自体は分かりやすいですよね。1000冊もSFばかり読んでいれば、それはもう押しも押されもしない立派なSF好きでしょう。けれど、別に読んでいる冊数が100冊であろうと、10冊であろうとSFが好きであると公言して、SFファンを自称して構わないと思うのですよね。

http://d.hatena.ne.jp/sinden/20070726/1185456121


リンク先の文もニュアンスとしてはわかります。しかし、例えば1冊しかSFを読んでいない場合ならどうでしょう。「夏への扉」を読んですごく面白いと思ってファンになったとして、それはSFファンというよりは夏への扉ファンとでも呼ぶべきのようにも思います。そして同じ作者の別の話、「月を売った男」や「宇宙の戦士」、「銀河市民」、「ダブルスター」なんかを読んでいったとします。そうするとSFファンといってもいいようにも思いますが、ハインラインファンの方がより適切でしょう。この場合ハインライン以外で、何か同じようなものは無いかと探して読もうとした場合に、ジャンルが意識されるのではないのでしょうか。ただし、このジャンルがSFだけかというとそうでないこともあるでしょう。「夏への扉」と似たような作品としてアシモフの「永遠の終わり」なんかを選んだらこれはSFですが、信頼していた友人に裏切られた主人公のような話を探したらSFでないかもしれません。「宇宙の戦士」の後に、戦争物などを選ぶ可能性もあります。


また、たとえSFを1000冊読んでいたとしても、それが10000冊読んだうちの一部に過ぎない場合もあるでしょう。この場合はSF好きというよりは読書好きなのかも。まあSFも好きであるのかもしれませんが、本を選ぶときにそれがSFであるかを全く意識しないとしたらSFファンと呼ぶのには抵抗があります。


この辺の話は別にSFだけに限った話ではないし、読書に限ったものでもありません。たとえば「ラーメン」が好きなだけで「中華好き」だというのはどうかと思うという話。もしかしたら蕎麦やスパゲッティも好きな「麺類好き」なのかもしれません。
また、色々な中華料理を食べたことがあるし、素材や調理法に詳しかったとしても、何か食べに行こうかというときに「中華じゃない方がいいな」とかいう人だったら中華好きとは呼べないでしょう。


ところでファンは英語のfanからきていて、fanはfanaticの短縮形。fanaticは熱狂者や狂信者という意味。そういう点から考えると熱狂もしくは狂信が無ければファンでは無いともいえるのかも。


前に書いた多少関連するもの
SF