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グレーレンズマンを原書で読む

レンズマンシリーズが一冊になった電子書籍を買ったので、再読してます。だだし原書なので英語なのです。作中のレンズがあれば、あらゆる種族の言語が理解できるのですが、現実にはそんな便利なものはありません。一作目と同じく、アレクサの読み上げ機能を使いながら読んで、あとから日本語版を読んでます。

話のパターンとしては同じといえば同じで、キニスンが活躍したり、ひどい目にあったりもします。入院して赤毛マクドゥガルとも再会します。

だいたい各章ごとに話がまとまってる連作短編に近い感じもしますが、話や設定がうまく関連しているし伏線にもなっています。本作だと惑星メドンが多くのエピソードに関連しています。惑星全体を無慣性化できるほどのエネルギー源とバーゲンホルムは、パトロール隊の船の強化だけでなく、最後に登場する秘密兵器にも使われます。惑星メドンは、もう一つの秘密兵器の開発場所にもなっています。他にも、大けがをしたキニスンを元通りにするフィリップ式施術もメドンの技術を活用して完成しました。

原書で読んだ証拠ではないけど、最後の章について。翻訳だと「独立から従属へ」となってますが、原書はATTACHEDの一語です。これは独立レンズマンの独立がUNATTACHEDなので、新たな役務に付くことになるキニスンの業務上の立場を表していて、翻訳でもその意味になっています。しかし英単語としては別の意味もあり、原書の章は2つの意味を含んでのものでしょう。

シリーズはまだまだ続くのですが、ラストにThe Endと書いてあるように、だいたいの問題は片付いたように書かれています。ボスコーンの正体も判明して、本拠地惑星も壊滅して、メドンの大統領に約束した平和に近いものが予想以上の形で実現しました。また主人公キニスンの個人的な面でもひとつの区切りがつきました。これが、次の巻ではあんなことになってしまうとは。