Log of ROYGB

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安全第一

http://mira.bio.fpu.ac.jp/tadas/cgi-bin/blxm/blosxom.cgi//060818.htmに書かれていた「ハートのエースが出てこない?」に関して。

で、問題は、そのような破滅的な副作用のあるテクノロジーというのは、人類の繁栄が続く限り,必ずいつか開発され、人類を破滅に導くいうことだ。その理由は上に述べたトランプゲームと同じである。一度の賭けで負ける可能性はきわめて低くても、それを無限回繰り返すと、必ずいつかはハートのエースをひいてしまう、つまり破滅的な結果がもたらされるというわけだ(その前に強制的にゲームが中断されない、つまり、戦争や天災などの別の理由で人類が破滅しないとしてだが)。

ロバート・J・ソウヤーの「ゴールデン・フリース (ハヤカワ文庫SF)」がそんなような設定を使っていた記憶があります。自分がいつかは人類にとって破滅的なミスを起こすことを予測した人工知能によって他の星系への植民計画が進められ、その宇宙船の中を主な舞台にしたSFで、倒叙ミステリーでもあります。
他にはロバート・A・ハインラインの短編で、いったん暴走したら核反応が無制限に広がって、世界を破滅に導く原子炉がでてくるものがあります。
ある技術が破滅をもたらすとして、それに対抗するのも別の技術でしかありえないような気がします。また、技術以外を原因とする天災などの破滅に対しても、技術で対抗することができるでしょう。


もうひとつ思ったのは、確率の問題としても毎回判断するならばゲームを途中でやめる理由がなくなるというもの。
ゲームを1回やって勝つ確率は51/52で、約98%です。それを有利なゲームとしてやると判断したとします。そして1回目のゲームに勝った場合に、2回目に勝つ確率はやはり51/52で約98%です。1回目と同じ確率なのだから、同じようにやると判断するのが妥当でしょう。3回目も同様で、過去に何ゲームやっているかにはかかわりなく、次のゲームをやって勝つ確率は51/52なわけです。そうすると1回目と同じ判断をする限り、ゲームをしない理由はありません。
ただし、35回ゲームをした場合に勝つ確率は約半分です。回数が増えれば当然ながらもっと勝率は減ります。
これは、毎回の判断というのはあてにならないということなのでしょうか。例えば交通事故にあわないようにするには、ある行動1回の確率で考えるのではなく、その行動を一生続けた場合の確率を考えて決めるということになるのでしょうか。そうするとラリイ・ニーヴンの小説に出てくるパペッティア人のように、極端に安全性に配慮した行動しかとれなくなる気がします。