Log of ROYGB

はてなダイアリーが廃止されるので、引っ越しました。

科学

人力検索はてなの質問でhttp://q.hatena.ne.jp/1171762957の「あなたは、ニセ科学似非科学疑似科学)と、科学をどのように区別しますか?また、なぜそれで区別できると考えていますか?」という質問に関して。

この質問のようなことで科学とは何だろうというようなことを考えることはありますが、それに対する簡単な回答は無いのではないかとも思います。因果関係を説明できれば科学のと考えてもよさそうですが、前に読んだ化学者のエピソードでこんなのを思い出しました。染物工場を見学した時に「ガランガラン大きな音を立てて鍋をかき回すと奇麗に染まる」という説明を聞いて、その理由が鍋の鉄分が溶け出すからで、鉄の化合物を加えることで大きな音をたてて鍋をかき回さないでも良いというのを逆に説明したというものです。この現象を分析して原因を特定するのは科学だと思いますが、因果関係でいえば、鍋をガランガランかき回すという原因からも、染物が良く染まるという結果は再現性を持って得られます。しかし、これはあまり科学らしく感じられません。

検証できるかどうかを根拠にすると、「超ひも理論」のような有力な学説であっても実際に確認できないような物が出てきてしまいます。

また、厳密には間違いだけれど実用的に便利に使える物は科学といってもいいように思います。地球から見た惑星の動きというのは、天動説的な考え方によるものです。そういう意味ではコペルニクスが地動説というか太陽中心説を、実際にそうであるのではなく単なる数学的な技法として発表したのも、必ずしも批判を恐れたからではなかったのかもしれません。他にも、日常レベルの運動法則や速度の合成などは、ニュートン運動方程式ガリレイ変換で充分です。これを相対性理論によるローレンツ変換が正しいと批判するのは変でしょう。あとは、化学変化で熱が発生した場合に、熱エネルギーに相当する質量が減るなんてことを考えても殆んど意味がないとか。
そういう風に考えていくと、科学というジャンルがあるのは確かだけれども、その範囲をはっきりと定めることは出来ないようにも思います。小説のジャンル分けでも、何がSFかとか何が本格ミステリーかなどは、はっきり定められないというのに少し似ているかもしれません。


http://homepage3.nifty.com/mogami/diary/d0702.html#19t1にある「最上の日々」の「2月19日(月)▼ 血液型性格判断を使わない広告代理店 (Cablog Annex)」などは、ある意味で簡単で明解な回答かもしれません。

ちなみに、実は科学自身にとってもそういう意味での「科学的に正しいとか正しくないとか」なんて言うのはどうでもよいことなのだ。科学と言うのはこの広告屋プラグマティズムと同じ物だ。

http://homepage3.nifty.com/mogami/diary/d0702.html#19t1