Log of ROYGB

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何が役に立つか

http://d.hatena.ne.jp/b_say_so/20061129/1164768424の「SaySo - 出力に興味があるからこそ工学」に関して。

工学の大前提は「社会の役に立つものを作る」です。


これはその通りだけど、何が役に立つかを判断するのが難しい場合もあると思いました。

例えば、電球を発明したというとエジソンが思い浮かびますが、エジソン以前に電球を作った人もいます。しかし、高価な白金を使わなければならなかったり、電源として電池を使わなければならなかったりでほとんど普及しませんでした。
エジソンはフィラメントに炭素を使った炭素電球を発明しただけでなく、発電所や送電線などのインフラも整備しました。これによって、便利に明かりが使えるようになりました。
エジソンが役に立たないと判断したものが、すごく役に立った例もあります。エジソンは電球の寿命を延ばそうとしてフィラメントと別の金属を電球にいれてエジソン効果として知られる現象を発見しました。これは後に真空管という形で実用化されましたが、エジソンは役に立たないと判断してほっておいたようです。

あとはエジソンと同時代のテスラは、電線を使わないで電気を送る無線送電のアイデアを実用化しようとしましたが、当時の技術では無理でした。現在では、マイクロ波を使って模型飛行機に電気を送って飛ばす実験などが行われています。距離が短ければ、電気カミソリやハブラシの充電などで実用化されています。ICカードでも非接触でデータをやり取りするだけでなく、必要な電源も非接触で送ることで便利に使えます。

無線に関しても、最初の頃は遠くに信号を送るには直進性が弱い周波数の低い電波が有効で、短波などは役に立たないと思われていました。しかし、電離層によって反射させることで小さな電力で遠くに信号を送ることが出来ます。

そんなものがいったい何の役に立つんだ、と思われていたことがあとになって役に立つこともあるので、近くだけではなく遠くも見ていきたいなと思います。