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明美ちゃん基金

産経新聞のSankei Webのお知らせから「明美ちゃん基金」というのを見つけました。

1通の投書から

 「貧しいがゆえに死なねばならぬか」

 昭和41(1966)年6月7日。1通の投書がきっかけとなり、サンケイ新聞(現・産経新聞)社会面に闘病生活を送る幼い少女の記事が載りました。

 少女は、鹿児島県に住む伊瀬知(いせじ)明美ちゃん(当時5歳)。生まれつき心臓の右心室と左心室の間に穴が開いている心室中隔欠損を患い、「手術をしなければあと2、3年の命」と宣告されました。

 手術費は50万円。現在の約500万円に相当しました。8人家族で農業を営む両親にとって、わずかな田んぼを売り払ってもとうてい手の届かない大金でした。

 「明美ちゃんを救おう」。記事は大きな反響を呼びました。その日のうちから社会部に電話や手紙が殺到し、翌日までに全国から66件、268万円余りの善意が寄せられました。1週間後には420件、425万円余りに達し、手術に必要な額をはるかに上回りました。

 「まだ第2、第3の明美ちゃんがいることと思います。そのような人たちに1日も早く明るい日を与えてください」(4000円を寄せた神奈川県の私立中3年生たち)

 善意を寄せた人の中には、こんな意見も多くありました。産経新聞社は、明美ちゃんの両親や、手術を引き受けた東京女子医大付属心臓血圧研究所の所長、榊原仟教授(故人)らと協議しました。

 41年6月15日、心臓病の子供を救う日本で初めての基金明美ちゃん基金」が誕生しました。


http://www.sankei.co.jp/sankei/pr/fund/fund.htmの「明美ちゃん基金」より)


病気の子供のための募金というのが、こんなに前からあるのに驚きました。必要な額をはるかに上回る額があつまったというのを読むと、お弁当を忘れた子にみんなから少しずつ分けたら誰よりも豪華なお弁当になってしまったような微妙な感じを受けますが、それを使って基金を作ったのを読んで安心しました。この基金は最初は先天性心臓病の為に使われ、国の対策が進んでからは海外にも対象者を広げたようです。それから川崎病の後遺症による心臓障害にも適用を拡大し、現在では以下の適用基準に沿っているようです。

基金の適用基準】

(1)先天性心臓病、川崎病後遺症による心臓疾患に苦しみ、経済的な事情で入院や手術の治療が受けられない子供(原則16歳以下)

(2)臓器移植によってしか延命の道が残されておらず、経済的な事情で手術を受けられない子供(同)

(3)医療・衛生基盤が未整備な発展途上国で、心臓病など小児難病に苦しむ子供への医療活動のうち、特に支援の必要性があるもの

(4)心臓病など小児難病の学術研究


臓器移植によってしか延命の道が残されておらず、経済的な事情で手術を受けられない子供が対象になっているということは、海外での移植でも対象になるのでしょうか。日本では子供の場合、提供者も子供だとすると移植の為の脳死判定の対象になっていないので移植を受けるのは難しそうです。

しかし、自分がしらなかったから言うわけではないですが産経新聞はもっと宣伝してもよさそうに思います。そうすれば、基金の恩恵を受ける人も増えるし、善意を寄せる人もまた増えるのではないかと思います。