脳のどこを探しても意識についての物理現象が見つからないというのが、温度に似ているということを考えてみます。何かで読んだような気がするのですが、それがどこだかはわかりません。
温度というのは今日は寒いねとか日常的に意識されている物理的現象です。温度が存在することは疑いようがないし、温度計などを使って測定することもできます。しかし、ある物質の温度を測定することはできるのですが、物質を構成する分子レベルで観察すると温度についてはわかりません。それどころか分子一つの温度は、測定できないだけでなく原理的に存在しないのです。それは温度というのがエネルギーに関する統計的な値だからです。その辺の説明は、http://homepage3.nifty.com/iromono/PhysTips/maxtemp.htmlの「物理Tips温度とは何ぞや？」がわかりやすいと思います。
さて、個別の分子には温度が無いのに、沢山の分子が集まった物質には温度が存在する。というのが意識と似ているのではないかというのがこの文章の主題です。個別のニューロンに意識が存在しないとして、それが沢山集まると意識が存在するという不思議な現象も、温度という例を考えに入れると、それほどおかしくも無いと思えるのではないでしょうか。
