Log of ROYGB

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ボタンを押す7秒前

http://wiredvision.jp/news/200804/2008041723.htmlの『「意識による判断の7秒前に、脳が判断」:脳スキャナーで行動予告が可能 WIRED VISION』に関して。

Haynes博士による実験では、被験者がボタンを押すことを決定する前の7秒の間に、脳活動が、高度な計画に関連する前頭葉皮質に移動し、その後すぐに、感覚統合を司る頭頂葉皮質へ移動した。Haynes博士の研究チームは、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)装置を使用し、これらの神経パターンの移動を観察した。

観察結果をまとめたところ、これらの神経パターンは、被験者が最終的にボタンを左手で押すか右手で押すかを、一貫して「予告」していた。被験者自身は、こうした選択が意識的な思考の結果だと感じている。

http://wiredvision.jp/news/200804/2008041723.html


こういった研究結果で疑問に思うのは、被験者が決定したのがいつの時点かというのをどうやって判断しているのかということです。この実験で言えば7秒の間に起こった神経パターンの移動の段階で考えて決定したという解釈もできるからです。

もう一つは、予測であって外れるケースもあるということです。

さらに、脳の予測が完全に正確だったというわけでない。予測が外れたケースでは、おそらく決定の間際になって自由意志が作用し、潜在意識による受け入れがたい決定を覆すのかもしれない。

http://wiredvision.jp/news/200804/2008041723.html


テッドチャンの小説に出てくる未来予測装置のようにランプとスイッチがあり、被験者がボタンをを押すことがわかったらランプを点けるような装置があったらどうだろう、ということを考えました。ボタンを押すことを決定する7秒前にわかるのだとしたら、その時点でランプを点灯させることも可能なはずです。つまり、ボタンを押す7秒前にランプが点く装置です。
そして、あたかも未来を予想するようにランプがついた場合は被験者がボタンを押すという現象が確実に再現されるのならば、自由意志は存在しないということになるのではと思います。そう思わずにはいられないのです。