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数学の問題の問題3

数学の問題に関する話。今回は「フェルマーの定理」について。

nが2よりも大きい自然数の場合には
X^n+Y^n=Z^n
自然数解X,Y,Zを持たないというのがフェルマーの定理です。ちなみに自然数には0からとする定義と1からとする場合と0からとする定義がありますが、この説明では1からとしないとX=Y=Z=0の場合にはどんなnでも式が成立してしまいます。

nが2の場合はピタゴラスの定理の式になり、自然数解も存在します。*1この場合の自然数解をピタゴラス数と呼ぶそうですが、それほど特別視してはいないような気がします。直角三角形の辺の長さの比率を表すというのがピタゴラスの定理なのだから、フェルマーの定理のように自然数解だけにこだわっているわけではないのでしょう。

ではフェルマーの定理は、ピタゴラスの定理が直角三角形の辺の長さの比率であるように、何か対応するものがあるのでしょうか。n=2が面積なのだから、n=3なら体積というのは簡単に思いつきますがそれでは自然数である意味が見つかりません。それでもピタゴラスの定理の整数解の場合に、1辺がXの正方形と1辺がYの正方形を、1辺が1の正方形に分割して組み合わせることで1辺がZの正方形にすることが出来るといった考え方ができるように、立方体で考えることも出来なくはありません。

自然数解にこだわらなければn=3であっても、X^n+Y^n=Z^nを満たす解は存在します。*2この場合の解は実数というか無理数になるのではと推測されます。もし有理数解が存在するとしたら、それに分母の数をかけることで自然数にすることができるので、自然数解が存在しないとしたら有理数解も存在しないはずだからです。

ブルーバックスの「フェルマーの大定理が解けた」という本には、与えられた自然数nを2つの自然数の和として求める問題が出てきます。そしてこれは専門家でも難しいという説明があります。その一方で有理数解なら高校生レベルだとも書かかれてます。整数解が難しくて、有理数解が簡単というのが面白いなと感じました。
その辺から、フェルマーの定理も整数解でなければ存在するし求めることもできるというのを思いつきました。それにどんな意味があるかというと、別に無いような気もしますが何か面白いと感じます。

フェルマーの定理はワイルズによって証明されていて、これは谷山=志村=ヴァイユ予想を使っているそうです。この予想は楕円関数に関するもので、楕円関数に使われるのは複素数というのがまた不思議な感じです。

つまりフェルマーの定理は、整数解を求めるから難しいのだけれども、その証明には複素数が使われているというわけなんです。



数学の問題の問題
数学の問題の問題2

*1:具体例としては3,4,5

*2:具体例としては1,2,9^1/3