Log of ROYGB

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2つのニュース2

昨日に引き続き2つのニュースを紹介。今回は同じ事件に関する記事ですが、書かれた時間が違うのと、内容に大きな違いがあります。

札幌・小4女児連れ去り:「落書き消そう」と誘う 男、同級生だけ帰す
 札幌市北区の小学4年の女児(9)が男に1日間にわたって連れ去られたとみられる事件で、この女児と同級生の女児が同区内の公園で不審な男から「(公園の)滑り台の落書きを消そう。向こうに落書きを消せるスポンジがある」と声を掛けられ、連れ去りの現場とされる防風林まで誘い出されていたことが6日、道警捜査1課と札幌北署の調べで分かった。男はその後、同級生だけを言葉巧みに公園へ戻していたことも分かり、道警は、男が最初からこの女児の連れ去りを目的に声を掛けた可能性があるとみている。

 調べでは、女児は4日午後5時ごろ、自宅近くの公園で同級生と遊んでいた際、20〜30歳ぐらいの男に声を掛けられた。2人はスポンジを取りに行くという口実を信じ、男とともにそれぞれの自転車で約500メートル離れた防風林へ向かった。男は同級生を公園に戻して女児と2人きりになった後、何らかの口実を設けて女児を連れ去ったとみられる。

 女児は5日午後4時45分ごろ、自分の自転車を置いてあった場所に歩いて戻ってきたところを保護された。外傷などは一切なかった。

毎日新聞 2008年9月7日 北海道朝刊

http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20080907ddr041040003000c.html

札幌市北区で、小学4年の女児(9)が一時行方不明となり、5日午後無事保護されたが、女児は自宅近くの防風林内で1人で一夜を明かし、連れ去られた事実はなかったことが8日、女児らの話で分かった。女児と一緒にいた同級生の女児が当初、道警に虚偽の説明をしたことが騒ぎを大きくした。

 女児が4日夕になっても帰宅しないため、母親が110番。一緒にいた同級生が道警に対し、「公園で遊んでいたら知らない男の人に話しかけられた。(1人だけで)公園に戻り、もう一度防風林に行くと2人の姿がなかった」と説明したため、道警は女児が男に連れ去られた未成年者誘拐事件の可能性もあるとみて捜査した。

 女児は5日午後4時45分ごろ、防風林内で保護。その後の調べで、女児2人は4日夕、公園で遊具に落書きしているのを男性に注意され、3人で落書きを消す道具探しに防風林に行き、男性はそこで別れた。同級生は網を見つけ、「落書きを消してくるから待ってて」と言い残し、公園に向かったという。女児は同級生を待つうちに防風林内で寝てしまい、目が覚めた時は5日早朝で、その後は防風林内や近くの公園で過ごしていた。

 道警の調べに対し、同級生も当初虚偽の説明をしていたことを認め、2人の説明がつじつまが合うことから、道警は女児が男に連れ去られた事実はなかったと結論づけた。【木村光則】

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080908k0000e040038000c.html


記事によると、誘拐されたと思った小学4年の子供は防風林内で寝ていただけということのようです。気になったのは、行方不明になった子供の同級生が虚偽の説明をしたとしている点です。“「公園で遊んでいたら知らない男の人に話しかけられた。(1人だけで)公園に戻り、もう一度防風林に行くと2人の姿がなかった」と説明した”というのに嘘はなさそうです。その語の調べとして“女児2人は4日夕、公園で遊具に落書きしているのを男性に注意され、3人で落書きを消す道具探しに防風林に行き、男性はそこで別れた。同級生は網を見つけ、「落書きを消してくるから待ってて」と言い残し、公園に向かったという。”とあるのとほとんど同じです。落書きの件も最初の記事にも書いてあるので、説明しているのは確かです。
あえていえば、防風林で男性と別れたというのを言ったかどうかが気になりますが、もし言ったとしてもじゃあ行方不明と男性は関係無いとはならなかったのではないでしょうか。
個人的には虚偽の説明をしたとされた子供に同情します。友達がいなくなったことについて、親や友達の親、そして警察といった大人から何か知らないかと聞かれるわけですよ。小学4年生といえばまだ10歳にもならないくらいなのに。そして自分の出来る範囲で起こったことを話したら、大人が勝手に事件だと思い込んで、あとから嘘つき呼ばわりするわけですよ。「公園で落書きをしていた」「男性に注意された」「落書きを消す道具を探しに防風林にいった」「自分は公園に行った」「防風林に戻ったら友達がいなかった」というのは、最初の記事にもあるので説明したであろうし、それに嘘は無いのに。連れ去られたかどうかというのは見ていないので「わからない」と答える以外にないでしょう。それを連れ去り事件だと判断したのは警察で、それは間違いだったわけです。

警察として最悪の事態を想定して判断するということに関しては特に問題ではないでしょう。ただ、事件の発生現場とされる防風林で寝ていた子供を見つけることも出来なかったのは不手際と言ってもいいでしょう。もし誘拐事件だったとして、何か手がかりになる遺留品が防風林にあったとしても見つけられなかったんではなどとも思ってもしまいます。


(9日追記)
もうひとつニュースを追加。

道警は4日夜、約200人態勢で捜索し、防風林内で女児の自転車を発見。5日午後4時すぎ、公開捜査に踏み切った。道警は6日以降、女児から詳しい経緯を聴く。

http://mainichi.jp/hokkaido/news/20080906hog00m040003000c.html


200人で捜索していて、自転車は防風林で見つけていたようです。しかしそうすると寝ていた子供が見つからなかったのが不思議に思います。