Log of ROYGB

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残った点

円と多角形」というエントリーで、円に内接する多角形の角をどこまでも増やしていったとしても円と同じにはならないのではというのと書きましたが、http://d.hatena.ne.jp/rikunora/20090207/p1の「無限角形は円と同じか? - 悪魔の妄想」では違った観点から書かれていました。
でも多角形の角をどこまでも増やしていっても円とは違うという点では同感ですが、すこし違うと思う部分もあります。

なので、円と比べれば、正無限角形はまだ「カクカクしている」んです。

正無限角形の頂点だけを取り出した図形は、円と比較すれば「隙間だらけ」ということになります。




でも、それだと円周率とか、円の面積などといったものは、計算できないことになってしまいます。

多角形をどこまで細かくしていっても、円と一致しないのであれば、どうやって円周率を計算するのでしょうか?

というか、円周率という数は本当に存在しているのか?

http://d.hatena.ne.jp/rikunora/20090207/p1


角を無限に増やした多角形と円は、同じではないのだけれど、面積という点では同じだと思います。別の言い方をすると、円と内接する多角形の面積の差の値を数列にして、多角形の角をどんどん増やしていった場合を考えると、数列は0に収束するんではということです。
しかし、面積では等しくても同じではないというのが不思議なところです。参考として上がっている「円で隙間を埋め尽くす - 悪魔の妄想」というエントリーでもそんなことが書かれています。ここでは平面を円で埋め尽くすことが出来るかという問題を考えていて、面積的には埋め尽くせるのだけれども、最後まで隙間として残る点があるとしています。

実は、こいうった点こそが「最後まで隙間に残る点」になっているんです。

だから、やっぱり隙間に残る点は存在しているわけで、隙間は完全に消えて無くなっているわけではないのです。




でも、こうして隙間に残った点は、全く孤立したバラバラな点であって、「つながっている隣の点」がありません。

もう一度、隙間に残った

 X=1.010101010101010101・・・

 Y=0.101010101010101010・・・

という点を見てください。

この無限に続く1と0の列の、どこでもいいから1カ所だけ書き換えたとしましょう。

すると、たちまちそこが(1,1)の組になりますから、どこかの三角形に入ることになります。

つまり、隙間に残った点を「ほんのちょっぴりでも動かすと」、隙間から外れてしまうのです。

隙間の点は、全く動かすことができない。

なので、隙間の点は「つながっていない」んです。

点と点がつながっていないので、そこに「大きさ」、「面積」を考えることができません。

これが、隙間は「ほとんど」残っていない、という「ほとんど」の意味です。

http://d.hatena.ne.jp/rikunora/20081129/p1


円に内接する多角形の場合も、同じように面積的には埋め尽くせるのだろうけど、それでも隙間は残るだろうという点ではなんか似ていると感じました。ところで今読み返していて、XとYの両方が0の箇所があれば書き換えたとしても(1,1)の組にならないので、隣の点も考えられるのかなといったことも考えました。


さらに「カントール集合」も似たようなものかなと連想しました。*1

カントール集合とはある長さの線分から真ん中の3分の1をどんどん取り除いていった物です。


―――――――――――――――――――――――――――

まず、こんな感じである線の真ん中の部分を3分の1取り除きます。


―――――――――         ―――――――――

そして残った部分も、それぞれ真ん中の3分の1を取り除きます。


―――   ―――         ―――   ―――

以下同様に繰り返していきます。どこまでも、どこまでも。


― ―   ― ―         ― ―   ― ―


どこまでも続けていった場合でも全部無くなってしまいはせずに点が残ります。この点の数は非加算無限で、濃度としては最初の線分に含まれる点と同じです。
そして非加算無限の残った点を全て合わせても長さは0であるという面白い性質をもった集合になります。


逆に取り除いていった部分の集合を考えると、元の線分と比べて非加算無限の点が無いにも関わらず長さは同じです。

*1:ブックマークコメントにも書いていたので、最初に読んだときにも同じことを思ったのかも。