Log of ROYGB

はてなダイアリーが廃止されるので、引っ越しました。

99.9%は抑制

サンケイニュースの『パナ電工の「ナノイー」鳥インフルエンザにも効果 ウイルスを抑制 - MSN産経ニュース』から。

 パナソニック電工は12日、独自技術の「ナノイー」と呼んでいる電化した微細な水粒子に、鳥インフルエンザウイルスの活動を抑制する働きがあることを確認したと発表した。これまでカビやアレルギー物質の抑制効果は確認されていた。今後、エアコンや空気清浄機など、パナソニックグループの商品への搭載を広げていく。

 同社などの実験によると、ナノイーを鳥インフルエンザウイルスに4時間吹き付けると、何もしなかった場合と比べて、ウイルスの活動を99.9%抑えた。このほか腸管出血性大腸菌O・157の活動も99.99%抑えるなど、他のウイルスの活動抑制効果も実証されたという。

カビなどの抑制のほか、肌や髪の保湿効果もあるとされ、同社のドライヤーや空気清浄機、美容器などに搭載されている

http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090512/biz0905122112034-n1.htm


「ナノイー」というと「マイナスイオン」と似たようなもので科学的な根拠は無いのではないかという意見もよく目にします。

しかし、その実態については、疑問点も多い。パナソニックによるとナノイーイオンとは、広島大学大学院の奥山喜久夫教授との共同開発によって作り出された、超微細な水滴で包まれたイオン(電子を帯びた原子)であり、同社が「nano technology」と「electric」の頭文字を足し、命名したもの。つまりナノイーイオンとは「科学用語」ではなく、パナソニックによる「マーケティング用語」なのだ。

 それだけなら問題はないとしても、「マイナスイオンの約6倍の寿命を持ち、水分量も約1000倍」という効能説明だ。数値だけを見れば画期的なものに聞こえるが、実はマイナスイオン自体が科学者の間で定義が曖昧なものとして、長年指摘され続けている「非科学用語」。06年には東京都の生活文化局が研究者などとともに、マイナスイオン発生器を販売する業者8社の効能データを審査し、「客観的な根拠に基づくものとは思えない」として景品表示法違反を指摘、訂正を求めた前例もあった。つまり、マイナスイオンはお役所にとっても"問題の多い"ものなのである。

http://www.cyzo.com/2008/12/post_1254.html


今回発表された結果を信じるのであれば、「ナノイー」に何らかのウィルスの活動を抑える効果があるというのは確かなのではないかなと思います。髪の保湿効果などの場合は、具体的な水分量というよりかは人間の感覚による違いであれば検証が難しいこともあって、疑うこともできますが、殺菌効果のような場合は実験自体がきちんと行われているのであれば定量的な効果の測定が可能だからです。


実験によって何らかの効果があったという結果がでたとすると、その効果の原因となる何かがあるのも確かだろうと推定されるので、他の保湿効果などの効果もあってもおかしくはないかもしれません。ただし、実験などで検証されていないのものに関しては、確かに有るとも無いとも言えないというところでしょう。


(13日追記)
http://panasonic.jp/nanoe/にあるメーカーのページ「ナノイーワールド Panasonic」にはナノイーに関する説明があります。ウイルス抑制以外にも、カビや臭いなどに対する効果も検証機関によって確認されているようです。
ナノイーに効果があるとすると、マイナスイオンのひとつに効果があったということにもなります。そして、ナノイーもマイナスイオンのひとつで効果が明確ではないという批判もあったようです。しかし、ナノイーの効果が確認されると、いっしょくたの批判が逆にナノイーが属するとされたマイナスイオンまで効果があるように思わせたりする面があるかもしれません。これはまあ、不用意な批判の副作用とでも言うべきものでしょう。