Yahoo!知恵袋の2004年の質問「太陽は何℃くらいですか?38℃って聞いたんですが…そんなに低いんですか?」(http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13186143)がはてなブックマークで紹介されていましたが、それになんとなく関連する話。
太陽の周囲を取り巻いているコロナの温度は100万度とかなりの高温です。これは太陽表面の6千度と比較してさえ高温です。
低い温度の物体から高い温度の物体に熱が伝わることはないので、6千度の太陽表面からの熱でコロナが100万度になるなんてことはありえないはずです。そんなことが起きたら熱力学の第二法則がひっくりかえってしまいます。
実は太陽内部から発せられたある種の放射線のようなものによって、コロナは高温になっているのです。
皆既日食でコロナだけが見えている状態では、かなり暗くなるし気温も下がります。コロナは100万度なのに、たった6000度の太陽よりもかなり少ない光と熱しか発していないからです。
こういったことを考えると、温度のみが重要なファクターではないことがわかります。
ブルーバックスの「マックスウェルの悪魔」という本では、太陽の代わりにもっと低い温度の天体が地球の近くにあったとしても、温度と距離を適切に設定すれば地球にやってくる放射エネルギーを太陽の場合と同じにできるだろうなんてことが書いてあります。
しかし、エネルギーの量が同じであってもエントロピーが違うのだと続いています。
低温の天体のエネルギーでは、太陽熱温水器でお湯を作ることもできないだろうとか、水のみ鳥が動かなくなるだろうということやその理由についても書かれてます。
新装版 マックスウェルの悪魔―確率から物理学へ (ブルーバックス)
- 作者: 都筑卓司
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/09/20
- メディア: 新書
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