はじめに
サンタクロースは、キリスト教徒以外にも広く信じられている信仰のようなものですが、これは科学的には根拠の無いものです。もちろん、科学的に根拠がないことがすべて悪いとは限らないのですが、サンタクロースとその周辺の現象について考えると、いくつか問題点が浮かび上がります。そこにニセ科学的なものを見ることもできます。
- 科学を装っている
- 親の支配力を増強
- プレゼントをもらえない子
科学を装っている
NORADが毎年行っているサンタクロース追跡プログラムは、偵察衛星やレーダーによってクリスマスのサンタクロースの動きを追って、その結果を世界に発表しています。偵察衛星やレーダーといった、科学技術によってサンタクロースの存在を確認するこういった行為は、伝承やおとぎ話として存在していたサンタクロースがあたかも科学的に実在するかのように装う欺瞞であると言うこともできます。
レーダーによる追跡がなかったとしても、サンタクロースの存在は、プレゼントという実体によっても確認できます。存在しないサンタクロースは、プレゼントを配ることができないからです。
親の支配力を増強
「良い子にしないとサンタさんがこないよ。」などという言葉は、クリスマス前の子供のいる家庭のあちこで発せられているのではないかと思いますが、これはサンタクロースという外部の権威を利用して親の子供に対する支配力を増強する行為です。
プレゼントを与えるというのは、飴と鞭でいえば飴にあたるのですが、プレゼントを与えないことや与えないと脅すことによって鞭としての効果も発揮します。飴を与えないことによる鞭は、直接的な鞭よりも効果を与える場合もありますが、効果の高さというのは与える痛みの強さでもあるわけです。
プレゼントをもらえない子
科学を装う部分をできるだけなくし、親による支配も抑えたとしても、問題は残ります。それはサンタクロースが良い子にプレゼントを与えるという物語そのものによるものです。
プレゼントをもらえない子供は、悪い子なのでしょうか。
親がいない、もしくはいても経済的に貧しい家庭の子供は、望むプレゼントを手に入れる可能性は低いのではないかと思います。プレゼントがもらえない、望んだ物とは違うプレゼントしか与えられない子供に対しては、君は良い子ではないというメッセージも伝えられることになります。これは、「良い子にはサンタクロースのプレゼントがもらえる」ということからそうなるのです。
プレゼントをもらえない子供は、身近には存在しないとしても、確かに存在します。