Log of ROYGB

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ローレンツ短縮と回転

光の速さに近い速度で進むと、長さが縮んでしまうという不思議な現象が起きます。これをローレンツ短縮と言います。
この長さの短縮は、不思議な現象なのですが、縮んでる宇宙船の中にいる人にとっては変化が無いのも不思議です。

宇宙船の長さが縮む?

 

ローレンツ短縮というのは、ローレンツ変換の長さだけに注目したものなので、わかりやすい分だけ誤解も生みやすいと思います。よくあるパラドックスとして、縮んだ宇宙船は短い格納庫に入るのか、といったものがあります。たとえば長さ100メートルの宇宙船がローレンツ短縮で50メートルになったら、50メートルの格納庫に入るのかといった問題です。

短くなって進んでいく宇宙船

 

この手のローレンツ短縮のパラドックスというのは、ローレンツ変換を使えば矛盾でも何でもないことがわかる、とはいうもののローレンツ変換は長さだけでなく時間の変化も出てくるのでわかりにくいことも確かです。
ローレンツ変換だと、光に近い速度で進む宇宙船は長さが縮むだけでなく、先頭と船尾では時刻も同じではなく変化してしまいます。
この不思議な現象をなんとか簡単に理解しようとして考えたのが以下の図です。

水色のが中の人にとっての宇宙船



水色の線が、宇宙船に乗っている人にとっての宇宙船です。一番上だと船尾は①の時間なのに先頭は②の未来に存在します。なので、外から見て短い格納庫に入っている場合でも、中の人にとっては先頭が入っても船尾は入ってない状態とかになります。

ローレンツ短縮というのも、斜めから見た宇宙船が短く見えるように、時間方向に斜めになった宇宙船が短く見えるという現象なのだと考えると、なんとなくわかった感じになるかもしれません。

 

補足
数式を使うと速度v、光速度cとした場合に、ローレンツ短縮は、

√1-v^2/c^2

となります。vをcで割るのは光の速さとの比率を出すためで、光速度の0.5倍とか0.7倍とかで考えるときの値がv/cのことです。

ローレンツ短縮と時間の変化

三平方の定理がわかれば、ローレンツ短縮はだいたいわかった感じになります。長さ1の宇宙船が、速度vで移動した時に光の速度に対する割合に応じて長さが縮むというのは、三角形の辺の長さの比で考えると簡単です。
vが0とか光の速度に比べてすごく小さければ、短縮は無いか無視できる位です。逆に光の速さに近づくにつれて、図の三角形が縦長になって短縮の度合いが大きくなります。誰かがローレンツ短縮について何か言っていたら、ああ三角形の辺の長さのことねと思えば、だいたいわかった感じになります。

 

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