Log of ROYGB

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相対性理論と時間の遅れ

連休でヒマなので相対性理論について少し書いてみます。
まず普通の運動について。ボールが秒速1メートルで下向きに動いているとします。

もしもボールが落下しているのが電車の中で横向きにも移動しているとすると、下向きの動きと横向きの動きが合わさります。横向きの速度が秒速0.5メートルだとします。1秒間に下に1メートル、横に0.5メートル移動するので、斜めに移動することになり、計算すると1秒で約1.12メートル移動することになります。計算としては三平方の定理を使って、1の自乗と0.5の自乗を足してからルートを求めます。

それでは光の場合も同じでいいのでしょうか。光の速度は約秒速30万キロメートルなので1秒ではなく3ナノ秒あたりにして、進む距離を1メートルに合わせます。止まってるときは当然ながら変わりません。ボールは1秒、光は3ナノ秒という違いはあるものの、どちらも1メートル下に移動します。

横向きの移動速度は光の速度の半分にすると、3ナノ秒あたり0.5メートルの移動です。列車ではこんなに早く動けないので、宇宙船としておきます。この場合もボールの時と同じように計算すると、3ナノ秒あたり1.12メートル進むことになるのですが、これは間違ってます。

なぜかという3ナノ秒で1.12メートルということは、秒速33.5万キロメートルで、光の速さを超えてしまいます。
光の速さはいつ誰が見ても同じ30万キロメートルというのが相対性理論の前提条件で、これは実際の測定結果からも確かです。
ではどうするかというと、時間の方を変えてしまいます。

下向きと横向きが合わさった光の速度が変わらないようにするには時間が少し遅くなる必要があります。どのくらい遅れるかというと、これも三平方の定理で求まります。
今度は斜辺が1なので、1の自乗から0.5の自乗を引いた結果のルートで求まります。約0.87となるので、外で1秒進む時に、宇宙船の中では0.87秒しか進まないことになります。そうすると、外から見た斜めの光と、宇宙船内での下向きの光のどちらも同じ速度になります。