Log of ROYGB

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可愛さは武器

可愛い方が可愛くない場合よりも共感を得やすいようですが、こんな意見もあります。

「ボクはこういうのは 媚を売って… それだけで生きている様なのは腹が立って… 可愛さだけで何も満足にできないくせに」

これは「ロングアゴー」というマンガのセリフです。作者は三原順で「はみだしっ子」の登場人物の過去の話。
上のセリフは子猫ではなく、子犬を見たときのものです。それに対してこう反論されます。

「この子達は何も持っていないから可愛い姿で媚を売っているのよ 鋭い牙や丈夫な足をもった犬がそれを武器にするように  この子達は人間に守ってやりたいと思わせる事を武器にしているのよ
そして私のようにあっさり降参してしまう人間もいるわ」


可愛さもまた生きる為の武器のひとつだというならば、それとは別の武器を持っている生き物は、可愛くなくてもそんなに可愛そうではないかもしれません。例えばゴキブリは、可愛くは無いけれども素早く動くことができ、狭い隙間でも通り抜けられ、叩かれる前に空気の動きからそれを知ることのできる感覚器さえ持っています。それだけの能力があれば、可愛さなどは無くてもいいのかもしれません。

場合によっては可愛さが邪魔になることもあるでしょう。これまたマンガのエピソードですが、あるレストランの料理人は非常に美男子で、彼を目当てに来る女性で店は非常に繁盛していましたが、そのせいで逆に料理の評価は高くありませんでした。
自分の腕に自信があって、それに対する正当な評価を望んだ彼が何をしたかというと、整形して変凡な顔になったのです。それからは顔を目当ての客はいなくなったものの、料理を目当てにする客は増え、料理への評価を得ることが出来たという話です。
題名は忘れてしまいましたが、作者は和田慎二だったと思います。検索してみたところでは「オレンジは血のにおい」かも。