Log of ROYGB

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銀河を呼ぶ声

最近読んだ短編集の「沈黙のフライバイ」と長編の「バビロニア・ウェーブ」に関して。書かれた時代は違いますが、似通った印象を受ける部分があります。「沈黙のフライバイ」の15ページにはSETIに関するこんな装置が出てきます。

「天然の宇宙電波から人工的な信号を選り分ける並列プロセッサだ。あそこの古い機械じゃ負担にありすぎるっていうんで、専用ハードを組んでみた。こっちのほうが百倍速い」


で、「バビロニア・ウェーブ」の85ページではこうです。

専門の観測基地以外でも、すべての電波天文台には補助的な機能としてCETIを目的とする装置は施されている。観測データを解析する過程で、絶えず<意味検出回路>を通されることになっている。太陽系内の宇宙観測基地はすべて異星からの声に聞き耳を立てているといってよかった。


時代背景は違いますが、「バビロニア・ウェーブ」の方が恵まれた環境のようです。
ところで、CETIとSETIの違いが気になって調べてみました。最初はCETIとして始まったのだけど、途中からSETIというようになったようです。同じような意味ですが、違いにあえて注目すると「沈黙のフライバイ」ではSETIとしては大成功なのだろうけど、CETIとしてはそうでも無いなんて言い方が出来るかもしれません。


「沈黙のフライバイ」に収録の「ゆりかごから墓場まで」の最初に海老の養殖池が出てきます。海老で連想したのが、密閉されたガラス球に水と小エビに藻、それから目には見えないけれどバクテリアが入っている物。外部からは光しか入りませんが、それだけでガラス球内部の生活は続きます。「小さな地球」というような紹介文で博物館などに展示されていたり、販売もされているようです。



沈黙のフライバイ (ハヤカワ文庫JA)

沈黙のフライバイ (ハヤカワ文庫JA)


バビロニア・ウェーブ

バビロニア・ウェーブ